スペインの伝統、クリスマスに飾るベレン

スペインでは、「Belen(ベレン)」の人形が伝統的なクリスマスの飾りとして街を彩ります。ベレンとは、スペイン語でキリストが生まれた町ベツレヘムのことを指し、また、ベツレヘムの馬小屋で幼子イエスが生まれた場面を再現した人形でもあります。聖ヨセフと聖母マリア、幼子イエスの「聖家族」を中心に、聖書の登場人物や庶民の人形が置かれ、中にはベツレヘムの町がジオラマのように表現された大掛かりなものもあります。スペインのクリスマスマーケットでは、このベレンの人形や建物などのパーツを売る店が軒を連ねます。

クリスマスマーケットにずらりと並ぶウンチ人形 クリスマスマーケットにずらりと並ぶウンチ人形

カタルーニャのベレンといえばウンチ人形

最近は日本のテレビ番組でもよく取り上げられているのでご存知の方も多いかと思いますが、バルセロナを中心とするカタルーニャには、ベレン人形の変わり種があります。それはなんと、しゃがみこんでウンチをしている人形です。人形はペロンとお尻を出していて、ひねり出されたウンチも置かれています。私が最初に住んでいたマドリードにはこのウンチ人形を飾るという風習はなかったので、バルセロナに引っ越してクリスマスマーケットにずらりと並ぶウンチ人形たちを初めて見たときは、ギョッとしたものでした。

ウンチ人形はラッキーアイテム?

このウンチ人形は「El Caganer(カガネル)」と呼ばれ、“ウンチをする”という意味の動詞“cagar(カガール)”からきています。ずばり「ウンチ君」という名前のこの人形の歴史は、18世紀まで遡ります。りっぱなウンチは大地の肥料であり、五穀豊穣と繁栄をもたらすものでした。伝統は綿々と受け継がれ、今でもラッキーアイテムとしてクリスマスの飾りに欠かせないものになっているのです。…などともっともらしくいわれているのですが、私は、きっと誰かが面白半分にウンコをしている人形を飾ってみたら、みんなが面白がって真似をした、というのが真相ではないかと思っています。

バルセロナのクリスマス市でウンチ人形をゲット

このカガネル人形、元々はカタルーニャの伝統の赤い帽子と衣装をまとった農夫でしたが、今では変わり雛ならぬ変わりカガネルが主流です。その年に活躍した人がモデルにされ、政治家、FCバルセロナのメンバーなどのスポーツ選手、芸能人、そしてドラえもんやキティちゃんなどのキャラクターも定番。ローマ教皇や王室のメンバーまでが、お尻を出してウンコを捻っている姿で登場するのです。バルセロナのクリスマスマーケットは、カテドラル前の「サンタ・ルシア市」が最もにぎわいます。2015年は11月27日から12月23日までの間、朝10時から平日は夜8時半まで、週末は9時半までオープンしていますので、是非足を運んでみてください。カガネルたちがあなたを待っています。