100年以上建築中の世界遺産

2013年現在、世界には980件ほどの世界遺産が登録されています。その中に、未だに完成していない建物があることをご存知ですか。バルセロナにある「サグラダファミリア教会(聖家族教会)」です。建設が始まったのが、1882年。その翌年、建築家に任命されたのが、当時まだ無名だったアントニ・ガウディです。彼は亡くなる1926年まで、ライフワークとして建築に携わって来ました。130年前から工事中という、この教会は「未完成」であることがまた、観光客の注目を浴びている理由の一つではないでしょうか。

未完だから美しい?サグラダファミリア教会は完成するのか(1) 未完だから美しい?サグラダファミリア教会は完成するのか(1)

ガウディがかいた設計図がない?

ガウディが亡くなってからは、彼が残した設計図を元に工事が進んでいるのでしょうか? 違います。もともと、彼は図面に詳細を書くタイプの建築家ではありませんでした。書いたのは、市に建築申請をするための簡単な設計図のみ。代わりに、縮小した石膏模型を作って説明しました。作りたいものを、石工士たちに上手に伝えられる、コミュニケーション能力に優れていた人物だったんですね。彼が残した、僅かな模型や資料は、市民戦争時に焼けてしまいました。現在は彼の弟子の証言などを資料とし、各建築家がガウディの意思を継いで、工事を進めています。

あと何本、塔は立つのでしょう

細長く、天まで突き上げるように高い塔が、現在8本立っています。これが、教会のシンボルです。塔それぞれが、キリスト12使徒に捧げられており、残り4本も建築中です。さらに、福音書記者に捧げられる4本の塔、聖母マリア、キリストに捧げられる塔も今後立つ予定です。見慣れてしまったあの8本の他にまだ10本も立てるなんて、驚きですよね。既に建っている塔は約110mに対して、キリストの塔は170mの高さを予定しています。完成しますと、現在世界一の高いウルム大聖堂(161m)を超え、サグラダファミリア教会が世界一の高さになります。

2026年に完成予定?

着工当初は、完成に300年ほどかかると推定されていました。私が最初に訪れた16年前は、あと100年はかかるのでははないかとも言われていました。ところが、最近になってガウディの没後100年を迎える、2026年までに完成させると発表されました。実は教会の建設費用に、税金を使うことはできません。すべて訪問客の入場料と寄付金で賄われています。年間300万人ほどが訪れ、約2500万ユーロ(約3億3250万円)の収入があるとか。あと13年で完成を見られるなんて、楽しみです。でも、サグラダファミリアって「未完成」がウリでしたよね?