未完成のまま残そう!運動

「永遠の未完成」という代名詞で、人々が建築経過を見守ってきただけに、完成しないままの方がいいのでは?という意見もあるのが事実です。工事着工当初、あまりの壮大なプロジェクトに、まわりの人々がガウディにいつ完成予定かと尋ねました。彼は、「神は完成を急いでいない」と答えたそうです。彼の指示の元完成された部分のみを残すことが、本来の世界遺産の意味なのではないか。などと議論が繰り返されましたが、今は、2010年11月7日に教皇ベネディクト16世が訪れ、バシリカの称号を与えられ、完成へと向かっています。

未完だから美しい?サグラダファミリア教会は完成するのか(2) 未完だから美しい?サグラダファミリア教会は完成するのか(2)

マンションも壊して、さらに目立つように

現在、教会に入る際には「受難の門」側が来場用の入口になっています。しかしながら、本来の教会の入口は「創造の門」になります。ところが現在、その門の向かいにはマンションが立ち並んでいます。ガウディの構想では、「教会の周りは高い建物は立てず公園にして、バルセロナ市内どこにいても教会が目立つようにしたい」と考えていました。そのため、現在あるマンションやお土産屋が立ち並ぶ一ブロックの建物はすべて壊され、公園になる予定です。あと、13年以内に住民は追い出されるのですね。何ともお気の毒な。

日本人彫刻家の活躍が、完成に大きく貢献

そんな世界遺産で、日本人の彫刻家が活躍されていることをご存知ですか。主任彫刻家、外尾悦郎氏です。以前、ネスカフェのCMにも出演されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。石工になりたと、25歳でバルセロナにやってきて、サグラダファミリアの工事現場に入ったそうです。その動機は、ただ単に石を掘りたかったから、ととてもシンプルなもの。その後ガウディを学び、35年間も教会建築の第一線で活躍されています。彼の活躍ぶりも、完成への道に大きく影響することでしょう。日本人の方が活躍されているなんて、何だかうれしいですよね。

教会のライトアップとクレーン車

教会の閉館時間は、18時。その後、日も暮れて辺りが暗くなった頃に、教会はライトアップされます。昼間に見せる繊細な印象とは全く異なり、建物全体の美しさが際立ちます。常に工事現場な様相ですが、夜は静かにクレーン車も動いていません。写真を撮ろうとすると、いつもクレーン車が写ってしまいます。それが、未完成を示すシンボルでもあるわけです。その姿が見られるのも、あと13年。完成してしまったら、ただの教会だと思われてしまうのでしょうか。未完成でなくても、注目に値する素晴しい教会の完成を願っています。