グローバル化がもたらした画一化

世界のグローバル化がもたらしたものに、生活空間の標準化・効率化が挙げられます。どこに行ってもある世界チェーンのファーストフード店やカフェ。商店街が廃れて大型のショッピングセンターができ、個性的な映画館が潰れてシネコンが宣伝費のかかった大作映画ばかり上映する・・・。自分の生まれた町に帰ると、それは都会よりも地方の方が顕著かもしれないなあと思います。便利なほうがいい、安く手に入れたい、みんなと同じものがほしい、と人々に思わせるように世の中が回っているような気がしませんか?

スペインにもある、イタリアから始まった町づくりネットワーク「スローシティー」 スペインにもある、イタリアから始まった町づくりネットワーク「スローシティー」

グローバル化に対抗する「スローシティー」

1999年にイタリアの小さな村から起こった「スローシティー」という運動があります。これは、同じくイタリアで始まった「スローフード」の動きを拡大したものです。「スローフード」とは、ファーストフードに対抗して、地域で取れるものを、その地域に昔からある料理法で料理し、ゆっくり味わって食べようとする運動で、すなわち食材と料理の多様性・地域性と、食べることの楽しみを大切にするという考え方です。それを発展させた「スローシティー」とは、標準化・効率化によって失われた町の個性や固有の文化、生活のリズムを守ろう、または再び取り戻そう、という運動なのです。

厳しい参加基準と小都市間の連携

イタリアで生まれたこの運動は、世界中に広がりつつあります。参加するには細かい評価基準があり、人口が5万人以下の小都市で、伝統的な手工業や固有の伝統文化遺産、特有の食べ物などがなければなりません。大型スーパーやファーストフード店があったら失格です。これらの基準をクリアした小都市が連携しあって、現在、世界のあちこちで住民主体の町づくりが行われているのです。スペインは現在、カタルーニャ州のベグール(Begur)、パルス(Pals)、バスク州のレケイティオ(Lekeitio)、ムンヒア(Mungia)、アラゴン州のルビエロス・デ・モラ(Rubielos de Mora)バレンシア州のビガストロ(Bigastro)の6つの町が加盟しています。

バルセロナから行く「スローシティー」

バルセロナからアクセスできるスローシティー、ベグールは、コスタ・ブラバの海まで迫るガバレス山地の端から海を望む、人口4000人の町です。丘の上には16世紀の砦が聳え、眺めは絶景。緑豊かな松林に囲まれたビーチや入り江の美しい海を求めて、夏にはバルセロナからも多くの人たちが訪れ、人口は10倍に膨れ上がります。もうひとつのスローシティー、パルスはコスタ・ブラバ海岸のやや内陸に入った丘の上にある小さな村です。村のシンボルの塔をはじめとする古い建物を次々に再建して、美しい中世の町並みとたたずまい取り戻しました。どちらもバルセロナからちょっと足を延ばしてみたい方におすすめの村です。