ドラゴンを倒したサン・ジョルディの伝説

キリスト教には、職業や地域、国などをゆかりのある聖人が守ってくれるという「守護聖人」なる信仰があります。一年365日の守護聖人まで決まっていて、生まれた子供にその誕生日の聖人の名前をつける、なんてこともあります。スペイン・カタルーニャ州の守護聖人は「サン・ジョルディ」といいます。昔々、カタルーニャにいた恐しいドラゴンが、生け贄に捧げられた王様の娘、王女様を今まさに手にかけようとしていたそのとき、白馬に乗った騎士が現れてドラゴンを退治し、王女様を助けた、という伝説があるのですが、この騎士こそがサン・ジョルディなのですね。

カタルーニャの守護聖人サン・ジョルディを探して教会めぐり カタルーニャの守護聖人サン・ジョルディを探して教会めぐり

毎年4月23日は「サン・ジョルディの日」

サン・ジョルディが退治したドラゴンから流れた血がバラとなり、彼はそのバラを王女様に贈った、という話から、この聖人が殉教した4月23日を「サン・ジョルディの日」とし、この日はカタルーニャの男性が女性にバラの花を贈る日となりました。毎年4月23日には、バルセロナでも沢山のバラを売る屋台が通りに並びます。また、バルセロナの街を歩いていると、あちこちにサン・ジョルディの像やモチーフを見かけます。市庁舎広場のカタルーニャ州政府の外壁、ボルン地区のサンタ・マリア・ダル・マール教会の天井などなど。バルセロナでサン・ジョルディを探して街を歩くというのも面白そうです。

ストックホルムで出会ったサン・ジョルディ

スウェーデンを旅した時、ストックホルムの大聖堂ですごく(カタルーニャでは見たことのないくらい(笑))立派なサン・ジョルディの像を見て、びっくりしました。なぜこんなところにサン・ジョルディが!?なんと、サン・ジョルディは英語だと「セント・ジョージ」なんですね。キリスト教の信仰を守って殉教した戦士セント・ジョージは、キリスト教徒にとっては異教徒との戦いのシンボルであり、ヒーロー的な存在なのだそうです。イングランド、モスクワ、グルジア、イタリアのジェノバなどの守護聖人になっています。

ベオグラードでまた出会う

セルビア正教を信仰するセルビアの首都ベオグラードで、セルビア正教会を訪れた時、またもや馬に乗ってドラゴンに剣を振り下ろすサン・ジョルディのイコン(正教の宗教画)を発見!!調べてみると、別名聖ゲオルギオス(ゲオルギー)は元々は東方正教会で戦士の守護聖人とされてきましたが、十字軍がきっかけで西欧に伝わったのだそうです。聖ゲオルギオスの伝説では、ドラゴンを退治したのは今のトルコのカッパドキア(リビアのサレム説もあり)とされ、ドラゴンの血がバラの花になったというのはどうやらカタルーニャのオリジナルのようですね。これからも旅先でサン・ジョルディを見つけるのが楽しみです。