威風堂々としたモンタネールのデビュー建築

モンタネールは建築家として華々しくデビューし、「モンタネール・イ・シモン出版社」を建てました。これは旧市街の少し北にあります。モンタネールが理想とするカタルーニャ主義(彼は郷土愛の強い人でした)が込められた記念の建築第一号となりました。イスラム建築の影響を色濃く残したネオ・ムデハール様式を採用しています。レンガ造りの威風堂々とした建物ですが、現在は屋上部分に曲がった針金のモダンアート作品をいただいた「アントニオ・タピエス美術館」になっています。

ガウディの影に隠れた天才建築家モンタネールの建築を見に行こう(その2) ガウディの影に隠れた天才建築家モンタネールの建築を見に行こう(その2)

装飾過剰なタイル張り建築でデビューしたガウディ

このモンタネール・イ・シモン出版社とほぼ同時期に、ガウディはタイル商人のマヌエル・ビセンスの邸宅を建てます。こっちは拡張地区にあります。外壁はすべて色とりどりのタイルで覆われていて、装飾過剰の派手な家で、まるで日本の銭湯を連想させます。この2つを較べれば、モンタネールのほうがずっと上品な作品に仕上がっていることは一目瞭然です。この2つの建物こそモデルニスモの始まりを告げる建築物といわれており、この二人の天才がモデルニスモそのものなので、モデルニスモの時代とは二人が活躍した1880年からガウディが死亡した1926年までとなっています。

モンタネールの最高傑作カタルーニャ音楽堂

モンタネールの重要な建築が旧市街に2つあります。そのひとつがシウタデラ公園の中に建設された「カフェ・レストラン」です。バルセロナで開かれた万博用に建てられたものですが、まるで中世の城のようなデザインです。鉄骨で造られていて、当時の最新技術でした。もうひとつが「カタルーニャ音楽堂」です。鋳鉄が積極的に用いられた装飾過剰な建物ですが、色鮮やかな花がちりばめられた装飾は、当時のバルセロナを楽しく飾ったことでしょう。この音楽堂はモンタネールの最高傑作といわれています。音楽の公演があれば内部の見学が可能ですが、一階は部分的にガラス張りのカフェになっているので、一休みすることができます。

現在でも使用されているモンタネールの病院建築

この音楽堂よりもっと規模の大きいモンタネールの作品が、拡張地区に建っています。「サンパウ病院」です。現代の病院建築という概念から遠く離れた、色とりどりで装飾過多の建築群ですが、今でも病院として使用されています。こういうデザインのほうが病人も元気が出るかもしれません。この病院の正門から、ガウディの代表作サグラダ・ファミリアを遠望することができるのが、モンタネールの気持ちを表しているといわれています。さて、それはいったいどのような意味なのでしょうか。(その3に続く)