バルセロナの海沿いに建てられた美しい教会

バルセロナの教会といえば、世界的に有名なのはサグラダ・ファミリアです。次いで多くの人が訪れるのがカテドラルでしょうか。私のおすすめは、旧市街の東のボルン地区にある美しい教会「サンタ・マリア・ダル・マール教会」です。昔、ボルン地区には地中海貿易で財を成したお金持ちや、船乗りたちが多く住んでいました(ピカソ美術館は、その頃のお金持ちのお屋敷5軒を改装して造られています)。サンタ・マリア・ダル・マール教会は14世紀に船乗りたちによって造られ、船乗りたちはこの教会の聖母マリアに航海の安全を祈願していたのでした。

別名『海のカテドラル』。バルサのエンブレムのステンドグラスがある美しい教会とは!? 別名『海のカテドラル』。バルサのエンブレムのステンドグラスがある美しい教会とは!?

カテドラルに負けるかと庶民が意地を見せた教会

教会が建てられたころ、バルセロナの海岸線は教会のすぐそばにあり、教会の中にいると波の音が聞こえてきたそうです。14世紀のバルセロナは、城壁で囲まれたゴシック地区に王や聖職者、貴族たちが住み、彼らの資金と権力でカテドラルが建造されていました。そこで、城壁の外に住んでいたボルン地区の船乗りや荷受け人夫たちは、自分たちの資金と労力で、カテドラルに負けるものかとサンタ・マリア・ダル・マール教会を建てようとしました。カテドラルが約150年かかって建てられたのに対し、庶民の意地をみせたこの教会は、たった54年間で完成しています。

市民戦争の痕がいまでも天井に残る

『海のカテドラル』と呼ばれるサンタ・マリア・ダル・マール教会は、カタルーニャ・ゴシック様式の建物の中で最も美しいもののひとつと言われています。カテドラルが細い塔を上へ上へと伸ばすフランス・ゴシックの外観を持つのに対し、こちらは四角い箱のような無骨な印象を与えます。しかし一歩中に入ると、細い柱に支えられた高い天井と広々とした空間が、とても繊細で優美なことにビックリすることでしょう。この教会の中はいたってシンプルで派手な装飾がありません。1936年、市民戦争時の火災によって焼失してしまったのです。今でも天井にはその時の火災による黒い煤が残っています。

バルサのエンブレムのステンドグラス!?

サンタ・マリア・ダル・マール教会の一番の美しさは、壁のステンドグラスとそこから注ぎ込まれる光にあります。晴れた日の午後には、西のバラ窓から色彩がこぼれるかのように陽光が降り注ぎます。北側には17世紀に作られた「最後の晩餐」のステンドグラスは必見です。また、バルセロナが世界に誇るサッカーチーム、FCバルセロナのエンブレムのステンドグラスがあるのはあまり知られていません。ステンドグラスの下の方にあり、かなり小さいのですが、是非どこにあるか探してみてください。