ブルジョワの自慢したい生活を披露

まずは、グラシア通り沿いにある来客用のサロンから。通り沿いの窓はとても大きいのですが、それには2つの理由があります。モデルニスモ以前の富裕層は旧市街に住んでいました。旧市街の細い道沿いの建物では、下の階には光が入りません。しかしこの道幅のある大通り沿いなら、降り注ぐたくさんの光を部屋に入れることができるのです。もう一つの理由が、自分達の優雅な生活を道行き交う人々に見せるためでした。羨望の眼差しを向けられて、自慢していたのです。まるでショーウィンドーのようですね。

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カタルーニャ地方の民謡がテーマの柱

私が最も注目したのは、サロンを出た廊下にある柱でした。カタルーニャ地方に伝わる民謡をテーマに彫刻が施され、廊下を歩くと時系列にその話が進んでいくようになっています。そして、客間と家族のプライベートの空間が分れる場所には、カタルーニャの聖人サン・ジョルディの彫刻が。それは今まさにドラゴンを仕留めようする瞬間で、これもまた当時の人々に愛された物語です。そこを抜けると、廊下を挟んで夫婦の寝室がそれぞれあります。夫人の部屋の床タイルがとてもかわいいので、必見です。これはオリジナルのままで、現在も状態がとても良く驚きました。

美しすぎる、各階に異なるステンドグラス

突き当たりは、家族用のサロン。壁に陶器でピクニックの風景が描かれています。当時のブルジョワ達に流行った娯楽を、3次元の浮き出た装飾で表現しています。このサロンには、細かなモザイクタイル、鋼鉄の装飾、木細工、ステンドグラスなど、モデルニスモの内装芸術が一同に揃って見られます。ここから、中庭へ出て、振り返り上を見上げると、ビックリ! この建物すべての階にステンドグラスがはめ込まれていて、とてもきれいでした。しかも各階によってデザインが異なります。このステンドグラスだけは、辺りが暗くなってからの見学がおすすめです。

天才達が競って建てた建築物を比較しよう

この邸宅のすごさは外観の豪華さからも伝わりますが、人の家だったとは想像できません。是非中に入って、美しさに感動の連続を味わってみてください。また、同じ通りにあるガウディ作の「カサ・バトリョ」、その隣のプッチ・イ・カダファルク作の「カサ・アマトリェール」と並び「不調和のブロック」として知られています。ギリシア神話にちなんで、当時の各巨匠達が独特な建物を競って建てたことから、そうよばれました。三者三様のマンション建築が比較、見学できる絶好スポットという訳です。ガウディ以外のモデルニスモ建築も面白くて、おすすめです。