カテドラルの塔の先に立つ『サンタ・エウラリア』

ガイドとしてよくバルセロナを案内しますが、旧市街ゴシック地区のカテドラル(大聖堂)に来ると「わあーすごい!! これがサグラダ・ファミリアですか?」と聞かれることが時々あります。バルセロナのカテドラルは、それほどに美しく、圧倒的な威容を誇る教会なのです。ゴシック様式のファサードは、中央の瀟洒な塔が天に届かんとばかりに高く聳えていますが、よく目を凝らして見てみてください。その先に、左手で聖十字架を持ち右手で天を指している少女の像が立っています。この少女が、バルセロナのカテドラルに埋葬されている聖人『サンタ・エウラリア』なのです。

13歳で殉教した少女エウラリアが埋葬されている、バルセロナの「カテドラル」 13歳で殉教した少女エウラリアが埋葬されている、バルセロナの「カテドラル」

ローマの迫害を受け13歳で殉教

少女エウラリアは290年にバルセロナで生まれました。当時バルセロナは古代ローマの属州で、キリスト教徒に激しい弾圧を加えたディオクレティアヌス帝の時代でした。エウラリアはキリスト教の信仰を捨てるのを拒み、ローマ人によって13の拷問を受けます。たとえば、ガラスの破片が詰まった靴を履いて通りを3往復させられたり、内側にナイフが突き立てられた樽の中に押し込まれ、樽ごと通りを転がされたりしました。また、X字の十字架に磔にされたため、以後サンタ・エウラリアの像にはX字の十字架が添えられるようになりました。そして最後に斬首され、エウラリアはわずか13歳で殉死します。

カテドラルの地下霊廟に眠る少女

バルセロナの守護聖人となったサンタ・エウラリアの遺骸は、カテドラルの主祭壇の下にある霊廟に安置されています。毎年2月14日の「サンタ・エウラリアの日」には霊廟の門が開けられ、多くの地元の人々が詣でに訪れます。また、聖歌隊席の入り口には、サンタ・エウラリアが拷問を受ける場面を描いたレリーフが置かれています。カテドラル横の回廊の池には13羽のガチョウが飼われていますが、これはエウラリアがガチョウの世話をしていたからとか、13羽は彼女が13歳で殉教したことにちなんでいると言われています。

エウラリア像がすぐそこに。展望台からの絶景

正式名を「聖十字架と聖エウラリア大聖堂」というバルセロナのカテドラル。3ユーロで屋上の展望台に上ると(有料の時間は6ユーロのチケットに展望台も含まれます)、サンタ・エウラリア像の後ろ姿にぐっと近づきます。また、ここからはサグラダ・ファミリアやコロンブスの塔、モンジュイックの丘も望むことができるので、お天気のいい日におすすめです。美しいカテドラルを訪れたら、わずか13歳で信仰のために亡くなった少女のことを、少しだけ思い出してみてください。