王立造船所だった建物が博物館に

バルセロナのミュージアムには、歴史的な建造物を利用したものがいくつかあります。中世のお金持ちの邸宅を改築した『ピカソ美術館』や、モデルニスモの建築家モンタネールが設計した出版社の建物を改装した『アントニ・タピエス美術館』は、展示してある作品とともに建物自体もまた見どころといえるでしょう。ゴシック地区の中心を貫くランブラス通りの南端に位置する『海洋博物館』は、‘征服王’として名を馳せたアラゴン王、ハイメ1世の命によって13世紀に建てられた、王立造船所の建物を利用しています。18世紀までの間、この建物は実際に造船所として使われていました

人で溢れるバルセロナ旧市街でひと息つくのにおすすめ 〜海洋博物館〜 人で溢れるバルセロナ旧市街でひと息つくのにおすすめ 〜海洋博物館〜

圧巻はレパントの海戦で使用されたガレー船

広々とした建物の中は、飾り気のない石造りでありながら、約18メートルの高い天井と広い空間を支える美しいアーチの連なりが優雅で美しく、このゴシック様式の建物を見学するだけでも十分価値があります。内部には、バルセロナで使われていた渡し船、ブラジルの古い帆船など、様々な船の模型が展示されています。中でも人気が高いのは、1666年、フェリペ2世の時代にレパントの海戦で使用されたガレー船の忠実なレプリカです。全長60メートルの実物大で、必要な漕ぎ手は200人以上。船尾の装飾が美しく、威風堂々としたこの船が大海原を航海する姿を想像すると、胸が高鳴る思いがします。

見ごたえのあるコレクションとユニークな特別展

他にも大航海時代の世界地図や、羅針盤などの航海の道具、船に持ち込まれた食料や食器、昔の救命胴衣など、航海に関する充実したコレクションの数々は見ごたえがあります。特別展もユニークなものが多く、週末にはツーリストよりも地元の家族連れでいつもにぎわっているような博物館です。建物の入り口には世界初の潜水艦の複製があり、まるでマンボウそっくりの形で、おまけに木製。こんなものに入って海の中に降りていくことを考えると、ちょっと息苦しくなってきますね(笑)。また、建物の西側に回り込むと、14世紀の市壁が残り、風情を添えています。

ランブラス通り周辺のオアシス的存在

造船スペースを改造してつくられたカフェレストランは、展示室と同じように天井が高く広々としていて、晴れた日には全面ガラス張りの室内に、庭の木々の間から日差しが注ぎ込みます。ランチも美味しく、平日のお昼の定食はお値段も手頃。緑の濃い庭に置かれたテラス席はゆったりとくつろげて、休憩にピッタリです。いつも人で溢れ返っているランブラス通りにうんざりしたら、ここでひと息ついてください。ゴシック地区の中でのんびりできる穴場のスポットです。カフェレストランの営業は9時から20時まで。毎週日曜日の15時以降は博物館の入場が無料になります。