中世の佇まいを残すゴシック地区にある『王の広場』

バルセロナのカテドラル周辺は、ゴシック地区の中でも最も古いエリアです。冬の夜など人通りの少ないときにこの辺りを歩いていると、まさに中世にタイムスリップした気分になります。私が好きなのは、雨の夜。濡れた石畳に街灯が映って、なんとも美しく幻想的です。カテドラルの左側の路地に入ると、晴れた日にはオペラの歌い手が朗々とオペラを歌っているか、クラシックギター弾きが演奏しているのに出くわし、しばし聞き惚れます。その先、カテドラルの主祭壇の裏側まで来たら、左に曲がると現れるのが、三方を暗灰色の建物に囲まれた小さな空間、『王の広場』です。

「新大陸」から戻ったコロンブスが王様に謁見した歴史の舞台 〜バルセロナ・王の広場〜 「新大陸」から戻ったコロンブスが王様に謁見した歴史の舞台 〜バルセロナ・王の広場〜

レコンキスタを成し遂げたカトリック両王の王宮

広場を囲むように建つのは、14世紀に建てられたレイアール・マジョール宮殿です。ここには、レコンキスタによって1492年にグラナダのアルハンブラ宮殿に残っていた最後のイスラム王朝を陥落させ、スペインを統一した“カトリック両王”イサベル女王とフェルナンド王が住んでいました。カトリック両王は、あの「新大陸を発見(実際はカリブ海到達ですが)」したコロンブスの支援者でもありました。といってもフェルナンド王は乗り気ではなかったそうですが、グラナダが陥落して一息ついたイサベル女王がフェルナンド王を説得して、コロンブスの西回り航海の計画を承認したのです。

コロンブスが両王に謁見した歴史の舞台が目の前に

コロンブスは1492年にカリブの島に到達し、翌1493年にスペインのアンダルシアの港に帰還しました。そして、バルセロナのこの王の広場にやってきて、宮殿の『ティネルの間』でカトリック両王に謁見、航海の成功を報告します。今、私たちが立つこの広場をコロンブスも500年前に歩き、正面右手の階段を上って目の前の建物に入り、そしてレコンキスタを成し遂げたカトリック両王に会ったのか…と考えると、なんだかドキドキしてきませんか? “レコンキスタ”とか“コロンブス”とか、世界史で習った遠い昔の出来事が、現実感を持ってぐっと身近に感じられます。

内部の見学が可能 夜景と夏のテラスもおすすめ

宮殿は、現在はバルセロナ市歴史博物館の一部になっていて、王の広場の横にある博物館に入ると、コロンブスがカトリック両王に謁見したティネルの間と、広場の右側の王専用の礼拝堂『アガタ礼拝堂』を見学することができます。博物館のメインの展示はローマ時代の遺構ですが、こちらも日本語のオーディオガイドがあってすごく面白いのでおすすめです。また、日が暮れてからライトアップされる王の広場は、昼とはまた違った美しさです。是非夕食の後に立ち寄ってみてください。夏は広場にバルのテラスが出るので、ここで一杯もいいですよ。