一度は訪れたいバルセロナのサグラダ・ファミリア

バルセロナに行った方なら誰もが足を運ぶサグラダ・ファミリア。行ったことのない方でも写真などで見て「いつか実物を見てみたい!」と考えている方も少なくないと思います。そんな人気スポットのサグラダ・ファミリアでは現在、お昼頃に少し暗めな、やや複雑なメロディーの音楽が鐘の音で鳴り響きます。クラシック音楽が好きな方ならすぐに「なるほど」と思うような有名曲ですが、何という曲だと思いますか?

今も工事が進むサグラダ・ファミリア 今も工事が進むサグラダ・ファミリア

「鳥の歌」を世界に広めたチェリスト、巨匠カザルス

聞こえてくるのは「鳥の歌」というカタルーニャ民謡です。バルセロナだからカタルーニャ民謡、ということで「な〜んだ」と思うかもしれませんが、せっかくなのでもう少し掘り下げてみましょう。なぜ、鐘で鳴らすのにいかにも不向きなこの民謡をあえて使うのでしょう? それを考えるためには、カタルーニャ地方出身のひとりの音楽家について知る必要があります。20世紀を代表する世界的なチェリスト、パブロ・カザルス(1876〜1973年)です。

“鳥たちはピース、ピースと鳴くのです”

チェロの奏法を改良し、バッハの「無伴奏チェロ組曲」の再評価などチェロのレパートリーを拡充したカザルスは、20世紀で最も重要なチェリストとして音楽史にその名を残しています。そして彼は音楽家としてだけでなく、平和活動家としても行動し、カタルーニャに圧制を敷いたフランコ政権への批判や核実験反対運動などさまざまな主張を示していきました。そのカザルスが「鳥の歌」を好んで演奏し続け、さまざまな場面で「鳥たちはピース、ピース(=平和)と鳴くのです」というような紹介の仕方をしていたため、「鳥の歌」は平和を願うカタルーニャを象徴する曲として世界中で知られるようになります。

サグラダ・ファミリアに行く前にぜひ聴いてみよう

カタルーニャ民謡自体はポピュラーなものが他にもいくつかありますが、「鳥の歌」はカザルスの影響により現在ではチェロだけでなくさまざまな楽器や歌で演奏されています。YouTube等でも多くのアーティストが演奏している様子がよくわかるので、もしサグラダ・ファミリアに行かれる予定のある方は、一度事前に聴いておくと、より充実した観光になるのではないかと思います。