主階の「待合のサロン」と「失われた歩みのサロン」

「ガウディの作品群/旧市街に建てられた初期の傑作、グエル邸」その2からの続きです。中2階の儀礼の階段を上った上階こそが、いよいよグエル邸の中心である主階になります。階段を上ってきたお客はこの階で、まず小さな「待合のサロン」に出ます。ここまでがグエル邸の移行ゾーンと言ってよく、ここから応接サロンや中央サロンに向かうような作りなのです。この「待合のサロン」とその先にある「失われた歩みのサロン」は、表通りに面しており、大きな窓ガラスから外光が取り入れられています。窓の近くに3本で1セットとなった柱を置き、建物の中に造られた擬似バルコニーのようになっています。この2つの部屋では、幾何学模様の天井デザインにも注目してください。階段ピラミッドを逆さにしたような形で木材で造られていますが、鉄製の飾りが要所につき、いいアクセントになっています。

天井が低い中2階から階段を上ると、名フロアの主階に出る 天井が低い中2階から階段を上ると、名フロアの主階に出る

凝った装飾がされた応接室

「失われた歩みのサロン」からメインの中央サロンに入れますが、ここはまずまっすぐ進んで「応接サロン」に入りましょう。ここはその名の通りの応接室で、広くはないものの利用頻度も高いことから、全体的に凝った装飾が見られます。とりわけ鍾乳石飾り風の天井装飾とステンドグラスには、その贅沢さに目を奪われるでしょう。面白いのは、この応接サロンのすぐ裏が、訪問客のための化粧室になっていることです。女性客のためにと、ここにトイレと化粧台が置かれていました。

応接サロンの天井装飾。見上げてしまうほど、凝った造りだ 応接サロンの天井装飾。見上げてしまうほど、凝った造りだ

グエル邸の中心、中央の大サロン

さて、いよいよグエル邸の心臓部とも言える中央の大サロンに入ります。ここは天井ドームまでの高さ16メートルの吹き抜けになっています。3階分の高さの広い空間を取り囲むように、上階に部屋が配置されているのもわかります。広間は正方形で、正面には左右に開く扉をつけた礼拝堂があります。この扉を開け閉めすることにより、大サロンは社交サロンと宗教スペースの2つの役割が兼用できるようになっていました。大サロンにはパイプオルガンがあるほか、一段上がった「トリビューン」と呼ばれるスペースに楽団が入り、生演奏をすることもありました。実際、この大サロンはプライベートなコンサートホールとしても使用されており、音響効果に特に気を使って設計されたようです。(その4に続く)