旅する活字中毒者

私はいわゆる活字中毒です。ちょっと街に出かけるときも、カバンにはなにかしら本を入れていきます。実際には読まずに終わることも多いのですが、途中で本を忘れたことに気づくととたんに不安になり、落ち着かなくなります。一種の精神安定剤なのかもしれません。旅に出るときは、持っていく本のセレクトは重要な準備のひとつ。旅の日数と行き先、旅のスタイル(都市またはリゾート滞在型、遺跡巡り、トレッキングメインなどなど)によって持っていく本の数と内容を吟味します。旅先で何を読むか考えているときが一番心ときめく時間かもしれません。

活字中毒者による旅先での読書のすすめ −本を持って旅をしよう− 活字中毒者による旅先での読書のすすめ −本を持って旅をしよう−

旅する本たち

ちょっと前のお話ですが、長期旅行者同士が世界のどこかで出会ったとき、それぞれが読み終わった本を持っていたら交換してまた新しい本を手に入れる、という本の物々交換が行われていました。みんな活字に飢えていたのですね。このシステムのいいところは、普段自分が読まないようなジャンルの本でもとにかく読む、という点で、思いがけずいい本に出合えることがありました。また、本の最後のページに読んだ旅人の名前、受け渡した場所と年月日が書かれていることもあって、その本が何年もかけて世界中を旅した旅の記録を見て静かに感動したものです。今も世界中を旅している本たちがいるのでしょうか。

活字に飢えたらここに行こう!

では、長期旅行で活字に飢えている人は、どこで日本の本を読むことができるでしょうか。まず各国にある日本大使館や領事館では、日本の新聞や書籍を閲覧できるところが多いです。それから日本人宿や日本食レストラン。だいたいオーナーの趣味による、または旅人が残していった本やマンガがずらっと揃えられています。私も本を読むためにその町に沈没してしまったなんてことがありました。また在住者の多い都市では日本語の図書館が運営されているところもあります(バルセロナの日本語図書室では、旅行者も館内で閲覧することが可能です。http://bibliotecajaponesa.wordpress.com/)。

旅先で読む本はガツンと心に入ってくる

普段はあまり本を読まないのに旅先では本を読みたくなる、という人も多いと思います。旅という非日常の世界で感覚が研ぎ澄まされ、見るもの聞くものが心に沁みてくるようなときに読んだ一冊が、人生の一冊になるかもしれません。私はタイのビーチで山本周五郎の本を読んでいて、なにかが突然琴線に触れて大泣きしたことがあります。「この本はあそこで読んだなあ」なんて、本が旅の思い出のひとつになったらいいですね。是非カバンに一冊、本を持って旅に出ましょう!