イスラムの王国時代に栄華を極めたコルドバ

スペインのアンダルシア地方にある古都コルドバは、8世紀半ばにイスラムの王国に支配され、13世紀半ばにキリスト教勢力に再征服(レコンキスタ)されるまでの間、栄華を極めました。その象徴ともいうべき建物が、今日に残る大モスク「メスキータ」です。メスキータの北西に広がるユダヤ人街は8世紀ごろ造られ、ユダヤ人たちは、イスラムの支配のもと、その地位を保つことが認められていました。しかし、1492年にカトリックの国家が統一されると、ユダヤ人追放令が発布され、彼らはこの地を追われることになりました。

花いっぱいの初夏のスペイン4 住民が庭を花で飾って競う、コルドバのパティオ祭り 花いっぱいの初夏のスペイン4 住民が庭を花で飾って競う、コルドバのパティオ祭り

ユダヤ人街の家にある「パティオ」と呼ばれる中庭

ユダヤ人街は、まるで迷路のように路地が入り組んでいます。石畳の両側には白い漆喰の壁の家々が並び、白い壁と青い空、そして白壁を飾るプランターに活けられた花の色が、5月にはもう強い日差しに、鮮やかなコントラストを描きます。扉が閉じられた外からはイメージできませんが、どの家にも中庭(パティオ)があり、噴水から水が流れ、40℃を越える強烈な夏の日差しを和らげてくれます。イスラムの庭園もそうですが、水の音が渇きと暑さを癒してくれるのでしょう。この、普段は立ち入れない彼らの自慢のパティオが、毎年5月に一般公開されるのをご存知でしょうか。

パティオが一般公開される「パティオ祭り」

2012年に世界無形文化遺産に登録されたコルドバの「パティオ祭り」は毎年5月に開催されます。町のパティオコンクールに参加した家々の、丹精込めて手入れした自慢のパティオが一般公開され、コンクールの上位入賞者には賞金が出ます。2013年は52の家庭が参加し、1位のパティオの賞金はなんと3,600ユーロ(約50万円)でした。これは気合も入るというものですね。インフォメーションで、見学できるパティオを巡るルートマップがもらえるので、地図を手に入れたら早速パティオ巡りに出かけましょう。

週末にはパティオに入る行列が!!

パティオを見学できるのは、10〜14時と18〜22時の間です。夜の10時まで自分の家の庭を観光客に開放するなんて、日本では考えられませんね。さすが宵っ張りなスペイン人です。どの家のパティオも趣向を凝らしていて、50以上のパティオを見てもそれぞれに特徴があって見飽きることがありません。私などは、壁の上の方まで一面に並ぶプランターを見て、『水やりが大変だろうなあ』とか『水道代はいくらかかるんだろう』などと、ついつい無粋なことを考えてしまいます。週末はパティオに入るのに行列ができるほど混み合うので、できれば平日に行くのがおすすめです。