音楽好きにおすすめのグラナダの隠れた観光地

スペイン・アンダルシア地方の一大観光地グラナダといえば、数ある世界遺産の中でも特に人気のあるアルハンブラ宮殿が有名ですね。そのアルハンブラ宮殿へ向かう丘の中腹に、音楽好きの方におすすめしたいスポットがあります。最も重要なスペインの作曲家のひとりとして世界中でその作品が親しまれているマヌエル・デ・ファリャ(1876〜1946)の家です。入場料は3ユーロ(約400円)で30分〜1時間ほどの観光時間で気軽に立ち寄れます。

ピアノがあるファリャの仕事部屋 ピアノがあるファリャの仕事部屋

カディスで生まれアルゼンチンで没したファリャが愛したグラナダ

ファリャはバレンシア地方出身の父とカタルーニャ地方出身の母のもと、アンダルシアの港町カディスで生まれます。1890年代からは音楽を学ぶためにマドリードに移りますが、1907〜1914年の7年間はパリで活動し、ドビュッシーやラヴェルといった著名なフランスの音楽家たちと親交を結びます。その後またマドリードに戻りますが、1921年〜1939年の実に18年間をグラナダで過ごします。1936年から始まったスペイン内戦を受けて1939年にファリャはアルゼンチンに亡命し、そこで没しますが、遺品をすべてグラナダの家に戻してほしいという遺言があったため、現在博物館として運営されているこのグラナダの「ファリャの家」ができることになりました。

ファリャとパリ、ドビュッシーとグラナダ

スペイン情緒たっぷりの音楽作品が人気のファリャですが、上記の通りその才能が認められ成功したのはパリでのことでした。そして、パリで親交を結んだ音楽家のひとり、印象派を代表するドビュッシーとファリャの間には、実は「グラナダ」を介して大切な繋がりがあります。ドビュッシーが他界したあと、ある音楽雑誌が交流のあった音楽家たちに追悼文を依頼しますが、ファリャはその追悼文の代わりとして、ギターのための小品「ドビュッシーの墓碑銘に捧げる賛歌」を書き下ろし、曲の最後にドビュッシーのピアノ曲「グラナダの夕べ」を引用します。ファリャは以前から、スペインを訪れたことがないドビュッシーが書いたこの曲を「見事にスペインを描ききっている」と賞賛していました。この追悼曲では、二人の音楽家の友情がグラナダの風景とともに表わされているのですね。

生前の配置をできる限り尊重しているファリャの家

さて、そのファリャの家ですが、中はガイドツアー形式になっており、スペイン語または英語で詳細な解説を聞きながら見学することができます。残された写真やスケッチをもとに生前の様子を忠実に再現しているそうで、体が弱かったファリャが使っていた薬や医療器具などまで実物が展示されています。もちろん、ファリャが使っていたピアノなどもあり愛好家には垂涎もの! 家から見下ろすグラナダの風景のも素晴らしいので、ぜひアルハンブラ宮殿の観光前後に一緒に立ち寄ってみてください。