サンティアゴ巡礼の道沿いの街、レオン

レオンは北スペイン、サンティアゴ巡礼の道沿いのある街です。立派なカテドラルがあり、巡礼者たちは、ここで祈りを捧げます。そして、カテドラルのほど近くに、これまた由緒正しいサン・イシドロ教会があります。この教会には、色鮮やかなフレスコ画が残り、それを目当てに、多くの巡礼者や観光客が訪れています。そして最近、この教会にほかに有名なものがひとつ増えました。もともとあったものですから、増えたというのはおかしいかもしれません。所蔵物のひとつが、突如有名になったのです。

サン・イシドロ教会にある古い杯は、実はキリストの「聖杯」だった? サン・イシドロ教会にある古い杯は、実はキリストの「聖杯」だった?

古い杯だと思いきや、聖杯だった?

それは、古い杯。なんと聖杯だったそうです。レオン大学の教員のトレス氏と美術史家のデルリオ氏が、サンイシドロ教会に展示されている古い杯こそが、キリストが最後の晩餐で使用した伝説の聖杯だという説を展開したのです。それは、ふたつのゴブレットが上下につながった形をして、宝石がちりばめられています。土台は、めのう、金、オニキスです。研究の結果、羊皮紙にあった描写とこの杯が一致したのだとか。私もこの杯を見ているはずなのですが、さっぱり記憶にありません。フレスコ画の見事さに目を奪われ、古い杯など気にも止めませんでした。

聖杯は別のところに移されました

サンイシドロ教会の古い杯が聖杯だという研究が発表されてから、教会は押すな押すなの大盛況。杯が展示されていたところは狭いので、別のところに移されました。レオン近辺は、サンティアゴ巡礼の通り道ということで、もともと熱心なクリスチャンが集まる地域です。そういった事情もあったでしょう。ですが、キリストの聖遺物とされるものは、世界中にたくさんあります。もちろん聖杯も数多く「これではないか」と言われているものがヨーロッパ内だけでも、200ほどあるそうです。キリストの杯が、そんなにたくさんあるわけではないので、ほとんどが偽物、もしくはすべてが偽物です。それでも、聖遺物はありがたいものなのです。