スペインの年越しにはブドウが不可欠

日本の大晦日に食べるものといえば年越しそばですよね。スペインでは新年を迎えるときに12粒のブドウを食べる風習があります。これは「幸運を呼ぶ12粒のブドウ」と呼ばれ、新年の12ヶ月を象徴しそれぞれの月の幸運を祈るという意味があるとか、みごと12粒食べ切れたら新年に願い事がかなうとか諸説いわれています。マドリードのプエルタ・デル・ソルにある時計台の鐘が12回鳴るのが全国にテレビで生中継され、国民はお茶の間でテレビの鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べるのです。え?そんなの簡単ですって?いやいや、これがなかなか…。

大晦日の夜、12時の鐘の音に合わせてブドウを食べる国があります−幸運を呼ぶ12粒のブドウ− 大晦日の夜、12時の鐘の音に合わせてブドウを食べる国があります−幸運を呼ぶ12粒のブドウ−

食べ切るのが案外難しい!

ここで食べられるブドウはマスカットのような白いブドウで、マスカットよりは小粒です。鐘は約3秒ごとに鳴るのですが、皮と種を吐き出しつつ咀嚼し飲み込むのは至難の業。5粒も食べないうちに口の中がブドウでいっぱいになり、ああ今年もギブアップ、ということになります。スペイン人の友人は予め皮をむいて種も除いたものを12粒、お皿に用意しておくと言っていました。最近では種無しブドウが売られるようになり、また、種と皮を除いた12粒のブドウ入りの缶詰なんてものも登場しています。外でカウントダウンする場合はこの缶詰持参ですね。

どうしてブドウ?

スペインで大晦日に12粒のブドウを食べる風習は100年以上続いているそうですが、ではどうしてブドウだったのでしょうか。一般的に知られているのは、1909年にブドウが大豊作で余ってしまったので、ブドウ農家が「好運を呼ぶ12粒のブドウ」と称して人々に振る舞ったのが始まりという説です。「鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べると新年は幸せになれる」という作り話が徐々に広まって全国に知られ、ブドウ農家がさらに宣伝に力を入れたことで定着したのだとか。日本のバレンタインデーのチョコレートみたいですね。

その他の年末年始の風習

カウントダウンでブドウを12粒食べたら、スペインのスパークリングワイン「カバ」で乾杯(この時グラスにゴールドのものを入れておくと金運アップ)し、「フェリス・アニョ・ヌエボ(新年おめでとう)!」と言って友人や家族と抱き合ったりキスしたりします。また赤い下着を身につけて年を越すと幸運を呼ぶのだとか。みなさんもスペインで年を越すチャンスがあったら是非ブドウを12粒食べてください。ただし、マドリードのプエルタ・デル・ソルやバルセロナのカタルーニャ広場でカウントダウンに参加するときはくれぐれも気をつけてください。スリだらけですので。