名画中の名画「ラス・メニーナス」

「世界三大(西洋)絵画」とはどの絵を指すかご存知ですか? スペインの宮廷画家ベラスケスの「ラス・メニーナス」、それからレンブラントの「夜警」とダ・ビンチの「モナ・リザ」。人によってはエル・グレコの「オルガス伯爵の埋葬」を挙げる場合があります。ほかの二つは入れ替わることがあっても「ラス・メニーナス」だけは不動で、外されることがありません。世界一の西洋絵画といってもいいかもしれませんね。「ラス・メニーナス」はマドリードのプラド美術館で見逃すことのできない目玉中の目玉です。

ウィーンとマドリードの美術館で見る、ベラスケスが描いたマルガリータ王女の成長記録 ウィーンとマドリードの美術館で見る、ベラスケスが描いたマルガリータ王女の成長記録

なぜウィーンにスペインの王女の絵があるの?

「ラス・メニーナス」の中央に描かれているかわいらしい少女は、スペイン国王フェリペ4世の娘であるマルガリータ王女です。この絵の時、王女は5歳。プラド美術館には9歳頃の「赤いドレスのマルガリータ」もありますが、こちらはベラスケスの絶筆といわれています。他にもベラスケスはマルガリータ王女の肖像をたくさん描いていますが、それらはスペインではなく、オーストリアのウィーン美術史美術館にあります。なぜ遠いウィーンにあるかというと、これらの絵が当時のお見合い写真として使われたからです。

王族の肖像画は見合い写真の代わり

ウィーン美術史美術館には3枚のマルガリータ王女の肖像画がありますが、これらは、マルガリータ王女が美しく成長していく様子を伝えるために、婚約者であるオーストリア・ハプスブルク家のレオポルト1世に送られたものです。写真のない時代、王族たちのお見合いのための肖像画を描くのが宮廷画家の仕事のひとつでした。ウィーンでは、3歳頃の「薔薇色のドレスのマルガリータ」、5歳頃の「白いドレスのマルガリータ」、そして8歳頃の「青いドレスのマルガリータ」を見ることができます。ベラスケスの絵のおかげかマルガリータ王女は15歳でレオポルト1世に嫁ぎました。

ベラスケスのマルガリータ像を制覇しよう

ベラスケス以外の画家たちもマルガリータの肖像画を描いていますが、どれもベラスケスの描いたものによく似た風貌です。マルガリータは嫁ぎ先のウィーンでわずか21歳の若さで亡くなりました。しかし、その可憐な姿はベラスケスの筆によって永遠にこの世にとどまります。ベラスケスの描いたマルガリータ王女の成長記録を見るのを目的に、マドリードとウィーンの美術館を巡る旅というのはいかがでしょうか。ちなみに、パリのルーブルにも1枚、ベラスケスのマルガリータ像が収蔵されています。