列車内盗難に遭わないコツとは

鉄道の旅で一番多いトラブルとは何でしょうか。多くの人は「盗難」をあげるかと思います。幸い私は、今まで列車の旅で盗難にあったことはありません。しかしそれは「気をつけていたから大丈夫だった」からではなく、「たまたま運が良かった」と思っています。泥棒はプロで、毎日人から盗んでいる訳ですから、もし狙いをつけられたら、なかなか防ぐ術はありません。だからまず列車に乗るときは、泥棒に目をつけられないよう「目立たない」ことが一番です。しかし大きなバッグパックやスーツケースを抱えていたら、目立ってしまいますよね。それに第一外国人であること自体が目立ちます。

鉄道でのトラブル・盗難編 ヨーロッパの夜行列車で 鉄道でのトラブル・盗難編 ヨーロッパの夜行列車で

ひとりよりふたりが安全

そこで、次にすることは「ひとりにならないこと」です。似たような旅行者を見つけて、友達になりましょう。トイレに行く時や席を外すときは交替で。ひとりが時刻表を見たり食料を買ったりするときは、ひとりが荷物を見張る、という感じです。目がふたつより4つあったほうが、不審者が近づくのがよくわかります。そして、もし似たような旅行者が見つからなかったときは、近くの家族連れなど、信用が置けそうな地元の人と仲良くなってしまいましょう。きっかけは「この列車でいいのか」「どこまで行くのか」とかそんな話でいいです。席を外すときは、荷物を見てもらうように頼みましょう。友人との旅の時は、逆に相手に当てにしすぎて油断しないように。

スペイン行きの列車で

今でも思い出すのが、初めてひとり旅をしたヨーロッパ鉄道の旅のときです。おおむねヨーロッパの鉄道でトラブルはないのですが、当時、パリからスペインに向かう夜行列車は“泥棒列車”と呼ばれていました。寝ている間に、荷物が盗られてしまう事件が続出していたのです。8人乗りのコンパートメントに乗り、8月のパリを列車は出発しました。席は満席でしたが、他の乗客と一緒にみんなで荷物を取られないようにと、ドアと反対側の窓側に荷物をまとめ、警戒して寝ました。

実際に盗難に遭った人に会う

列車はあちこちの駅に止まるので、一晩中人が通路を行ったり来たり。そして席が空いていないか、のぞく人がいます。その度に、誰かが起きて警戒していました。朝になり、無事にマドリッドに着きましたが、廊下を「誰か私の荷物を知らない」と声を上げながら歩いている女性がいて、「やはり泥棒はいた」と思ったものです。その一ヵ月後、フランスで会った日本人女性からこんな話を聞きました。その人は南仏を鉄道でひとりで旅行中、お腹に巻いていた貴重品を盗まれてしまったというのです。夜行でいくら寝ていても、体に巻いたお金を盗られたら気づきますよね。彼女が言うには、寝ている間に薬を嗅がされたのではないかとのこと。朝起きて食堂車に行き、そこで盗まれていたことに気づいたというのです。噂だけではなかったんですね。ということで、気をつけて旅行ください。