国を超えたヨーロッパ人の新しい働き方

イギリス人の友人パットが、別荘を買ったので、遊びに来ないかとメールしてきました。彼とは妻がベトナムで知り合って以来の付き合いで、我が家に遊び来たこともあります。ロンドンやアムステルダムに行った時には、食事やパブに一緒に行った仲です。別荘のある場所は、スペイン南部のアンダルシア地方、点在する白い村の一つ、オルベーラだそうです。彼はごくごく普通の旅好きで、お金持ちではありません。だから余計に海外に別荘を持つのはすごいなあと感心してしまいました。一方で彼は、旅好きが高じて、日本では考えられないような働き方をしています。航空機の整備士なのですが、三十代になってから会社を退職、派遣会社に登録し、EU圏内を中心に、数カ月単位で空港に勤務するのです。その間はホテル暮らし。一種優雅な独身生活を満喫しているのでした。EUが統合したことで、パットのような働き方が可能になったのですね。

スペインのアンダルシアに、すごい(?)別荘を買った友人(前編) スペインのアンダルシアに、すごい(?)別荘を買った友人(前編)

スペイン・アンダルシア地方の旅の拠点はマラガ。

数か月後、僕と妻は招きに応じてスペインに飛びました。彼とは南部の都市マラガで待ち合わせです。まずはマドリードに到着し、スペイン国鉄レンフェの高速鉄道AVEでマラガを目指します。マラガはピカソの生まれた港町で、秋も深まる10月でしたが、陽光が降り注ぎ、同時期の東京並みの暖かさです。ドイツ人や北欧人を中心に、大勢の観光客でにぎわっていました。みんな太陽を浴びて気持ちよさそうです。パットはこの時、バルセロナで働いていました。彼が来る週末まで、マラガの市内観光などをして遊んでいました。なにより安食堂のバルでも、安くて食事がうまい。アンダルシアは、人々の気質はのんびりしており、気候も物価も食べ物もよさそうです。

マラガの町並みは美しい マラガの町並みは美しい

いくら暖かいと言っても、半袖半ズボンで大丈夫?

パットは待ち合わせの夕方5時に、マラガのバスターミナルに現れました。半袖、半ズボンです。僕と妻は一応、ダウンを着ているのですが、彼は、「アンダルシアは暖かいからねえ」と言って、元気満々です。オルベーラは田舎町なので、朝と夜の2便しかバスがありません。走ること2時間、オルベーラに到着です。白い村とはなるほど、すべての建物が漆喰で白く塗られているからでした。これは強い太陽光線を反射させるのと、虫よけのためだそうです。どの村も、小高い丘の上にあり、8世紀から15世紀の間、スペインでキリスト教徒による国土回復運動が起こった時に、迫害されたイスラム教徒が隠れていた村々でした。パットは到着すると、あまりの寒さに体をこすって震えていました。昼間は暖かくても、夜は相応に寒いのです。翌朝は快晴。青い空の下、白い村オルベーラはあまりに美しく生えるのでした(後編へ続く)。