コーヒーやフルーツジュースのほかにも

南米ベネズエラの飲み物といっても、行ったことのある人以外に思い浮かぶ人は少ないでしょう。コーヒーの産地でもあることから、コーヒーが飲まれているのはもちろんのこと、
豊富な果物を使ったフレッシュジュースやミルクシェーク、アルコールではビールのほかに、ラムやウォッカ、ウィスキーなどが飲まれています。このあたりはまだ普通な感じの飲み物ですが、今回は私たちにあまりなじみのない、中南米で広く飲まれているチチャと、珍妙な紫色のドリンク、レバントン・アンディーノについてご紹介します。

ベネズエラの飲み物いろいろ。牛の目玉が入ったびっくりドリンクも ベネズエラの飲み物いろいろ。牛の目玉が入ったびっくりドリンクも

唾液で発酵させるチチャ

チチャは中米から南米にかけて存在する伝統的な飲み物。材料は地域によって異なり、果物やキャッサバ芋が使われることもありますが、トウモロコシを使ったアンデス産のものが最もよく知られています。お酒にする場合、何より変わっているのは、材料を口に入れて噛み、唾液の酵素で発酵させる「口噛み酒」であるということ。もっともそれは昔の作り方であって、現在口噛みを行なっているのはおもにアマゾン川流域の人々のみのようです。ベネズエラには米を使った無発酵のチチャや、発酵したパイナップルを使うものなどいくつかの種類があります。トウモロコシで作られたものを飲みましたが、アルコール度は3%程度と低く、強い酸味の中にかすかに甘味がありました。

問題の!?レバントン・アンディーノ

さて、ここで私がこれまでに出会った最も奇怪な飲み物、レバントン・アンディーノをご紹介します。ベネズエラ西部のアンデス山脈中にある都市、メリダの市場で売られています。材料をミキサーに入れて攪拌する飲み物ですが、使っている材料がすごい。店先のボードに書かれているものを読むと、「数種の果物、3種類の卵、粉ミルク、牛乳、シリアル、ビール、ラム酒、ブランデー、ワイン、ほか秘密の酒2種」、そしてなんと、「ウシの目」などとあります。また、「チュチュグアサ」という薬のようなものなど、何だかよく分からない物も多数。その種類の多さ、入れる物の異様さに驚きを禁じえません。

ベネズエラのエナジー・ドリンク

思い切って注文すると、淡い紫色のどろりとした飲み物が出てきます。覚悟を決めて飲んでみると、意外や意外、味はなかなかまともで、軽いイチゴシェークのような感じです。後から知ったことですが、これはベネズエラのアンデスに住む人々の伝統的な飲み物であると同時に、精力剤でもあるとのこと。ベネズエラの奇妙なエナジー・ドリンク、疲れてちょっと元気がないときに飲んだりしたら、より効果がはっきり実感できたのかもしれません。