レコンキスタの始まりの地アストゥリアス

スペインは8世紀から約700年の間イスラムの国でした。彼らはイベリア半島の南から一気に勢力を広げましたが、スペイン北西部アストゥリアス地方を征服できず、718年のコバドンガの戦いでキリスト教徒に敗れました。それを取るに足らない小さなことだと考え、そのわずかのキリスト教勢力を放っておいたのがイスラムの失敗だったといえるでしょう。そのキリスト教徒たちが「アストゥリアス王国」というキリスト教の国を興し、イベリア半島をイスラムから奪還しようとするレコンキスタの出発点になるのです。やがて1492年にグラナダが陥落して、イベリア半島でのイスラムの支配は終焉を迎えました。

レコンキスタはここから始まった!スペイン北部アストゥリアスの魅力 レコンキスタはここから始まった!スペイン北部アストゥリアスの魅力

歴史を感じる町、美しい海辺の町

アストゥリアス王国の時代の教会は、アストゥリアス様式またはネオロマネスク様式と呼ばれ、今でも各地に残っています。そしてその中の4つが、王国の都として栄えたオビエドの歴史地区と合わせて、世界遺産に登録されています。ほかにも「聖なる洞窟」とネオ・ロマネスク様式の教会のある聖地コバドンガや、美しく長いビーチを持つ海沿いの町ヒホン、漁港リバデセージャやルアルカ、山に抱かれたお伽の村のようなクディジェロなど、日本ではあまり知られていませんが、魅力的な町が沢山あります。また、オレオと呼ばれるこの地方独特の高床式の穀物倉庫をいたるところで見ることができます。

トレッキングとドライブで大自然を満喫

アストゥリアス地方は、カンタブリア山脈と海に挟まれたエスパーニャ・ベルデ(緑のスペイン)と呼ばれる、細長い自然の豊かな地域に位置します。カンタブリア山脈の中でも「ピコス・デ・エウロパ(ヨーロッパの頂)」と呼ばれる山脈は国立公園として保護されていて、その険しく美しい景観はスイスにも引けを取りません。中でもコバドンガ湖畔の神秘的な美しさは必見ものです。軽いハイキングコースから本格的なトレッキングコースまで、多くのルートが巡らされていますので、トレッキングの好きな人には穴場的なエリアといえます。一方、カンタブリアの海岸はリアス式海岸で、断崖が入り江に迫る絶景が続き、こちらはドライブに最適です。

文化、自然とくれば次はグルメ!

海にも山にも恵まれたアストゥリアス地方の代表的なご当地グルメといえば、まずはファバーダ・アストゥリアーナ。白インゲンをチョリソとモルシージャ(血のソーセージ)、豚肉と煮込んだ料理です。海沿いの町はシーフードがおすすめで、カルデレータという魚介のブイヤベースが名物。お酒は、シードラというリンゴから作られるお酒が有名で、高いところからグラスの壁にぶつけて泡立てて注ぐ、独特の注ぎ方にビックリします。また山岳エリアはヤギ乳のブルーチーズが有名で、カブラレスというチーズがその代表です。そのまま食べても、ソースにしてお肉やポテトにかけても絶品ですよ。