巡礼の道は800kmにもおよぶ

カミーノ・デ・サンティアゴとは、フランス国境からピレネー山脈を経由し、スペイン北部を通る約800の巡礼路のことです。キリストの12使徒の一人ヤコブ(スペイン語でサンティアゴ)の遺骸がガリシアで埋葬されたという伝説から、彼の墓の発見を記念してサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂が建てられました。その巡礼の歴史は1000年を越えます。道順は巡礼のシンボルであるホタテガイのマークが指し示し、巡礼者は各所でアルベルゲ(宿)に安く、もしくは寄付のみで泊まることができます。最近では巡礼以外の目的で歩く人も増えています。巡礼証明書をもらうには徒歩で100(自転車の場合は200)以上歩くことが条件です。私たちはゴールまで約180の距離からスタート、無謀な挑戦でした。

混雑を避けオフシーズンに歩く、カミーノ・デ・サンティアゴの魅力(1) 混雑を避けオフシーズンに歩く、カミーノ・デ・サンティアゴの魅力(1)

初心者の180kmの挑戦

2009年年末にVillafranco del Bierzoからスタートしました。村に着くと初めに、巡礼者の手帳となるクレデンシャル(信用状)を発行してもらい、今後これに各所でスタンプを押してもらい進むことになります。宿に巡礼者達が続々と到着し、7人皆で一緒に夕食を食べに行くことになりました。みんなでわいわいと食事をし、楽しい一夜を過ごした翌朝、起きた時には皆は既に出発した後で誰もいません!前夜の酒盛りが楽しく、すっかり寝坊した私達をこの日待っていたのは難所セブレイド峠。天気は快晴、最初は歩くステップも軽く記念写真を撮りながら余裕のスタートでしたが、午後になると雪の山道を歩くことに。この山で遭難したらどうしよう?不安の中、足跡が僅かしか残っていない雪道を進むのでした。

到着したらそこは何とスキー場!

進んでも進んでも誰一人巡礼者には会わないので、ますます不安が募ります。山頂からのパノラマ風景は美しいのに、緑の中の雪原は太陽が反射してキラキラと輝いているのに、疲労はピークで、気持ちに余裕がなく景色を堪能することができません。疲労で友人との会話も途切れた頃、やっと雪の山道が開けました。何とそこはスキー場!スキー客でごった返していました。宿を通り過ぎてしまった私たちを巡礼仲間が呼びとめてくれたので、無事に到着できました。雪山は危険だから遠回りでも自転車道歩くんだよ、と教えてもらいました。途中、誰にも会わなかったわけです。熱いシャワーを浴び体を横にすると、すーっと疲れが取れていくのを感じました。ベッド数や施設も充分に使え、これが空いている時期の醍醐味なんでしょうか?