スペイン名物「コチニージョ・アサード」

スペインでもポルトガルでも豚肉が非常によく食べられます。両者とも豚肉を使った名物料理といえば「子豚の丸焼き」ですが、同じ子豚の丸焼きでも、見た目も味も違います。お隣同士なのに不思議なものですね。さて、まず赤コーナーはスペインの子豚の丸焼き「コチニージョ・アサードCochinillo asado」です。スペインの内陸部、カスティージャ地方の名物料理で、中でもマドリード近郊のセゴビアのものが特に有名です。子豚は生後2週間から3週間以内のものが使われ、その特徴は、まず皮が薄く焼くとパリパリになること。脂身がまだ層になっておらず肉の部分に溶け込んでいるので、脂っこくなく、身が柔らかいこと。パリッとして、そして柔らかくジューシーなのです。これは赤ワインが進みますね。

グルメ対決・子豚の丸焼き編 スペインvsポルトガル グルメ対決・子豚の丸焼き編 スペインvsポルトガル

お皿で肉を切るパフォーマンスは柔らかさの証明

コチニージョ・アサードは、カスエラと呼ばれるスペインの伝統的な耐熱陶器でローストされます。お腹を縦に切って内臓を取ったものを、両手足を横に開いたうつぶせの状態にして、カスエラにじわりと溜まる子豚自身の脂でじっくりと焼きます。焼きあがったコチニージョは、こちらの人数が多ければ丸ごと一匹テーブルに運ばれ、その自慢の柔らかさを見せるためにナイフではなくお皿を使って切り分けます。セゴビアに行けなくても、マドリードにも美味しいコチニージョで知られたレストランがいくつかあります。1725年創業の老舗「ボティンBotin」は、常連だったヘミングウェイが、小説「日はまた昇る」で主人公に「ボティンは世界一のレストラン」とまで言わせた名店。歴史を感じる建物の中で、是非名物の子豚の丸焼きを味わってみてください。

ポルトガル名物「レイタォン・アッサード」

対する青コーナー、ポルトガルの子豚の丸焼きは「レイタォン・アッサードLeitao assado」といいます。ポルトガル中部の大学都市コインブラの近くにあるメアリャーダ村が有名で、街道沿いにレイタォンのレストランが並んでいることから「レイタォン街道」と呼ばれています。週末にはスペイン人も車で食べに来るのでレイタォン渋滞が起きるのだとか。レイタォンは、生後8週間ほどの乳飲み子豚の内臓を取り、腹の中にニンニク、塩、コショウ、ラードなどで作られた秘伝のペーストを塗って、口からお尻まで串に刺して釜でじっくり焼いて作られます。切り分けてサーブされたお肉にコショウの効いたタレをかけていただくと、皮は水飴が塗られているみたいにカリッとし、お肉もジューシーで絶品です。レイタォンにはエシュプマンテと呼ばれる地元産のスパークリングワインを合わせるのが定番です。

判定はいかに

私の個人的な判定は・・・秘伝のペーストとコショウの効いたタレがよく合うレイタォンの勝ち!