スペインのイースターは

イースター(復活祭)とは、キリストの受難から復活までを祝うお祭りで、キリスト教圏で行われます。スペイン語でセマナ・サンタ(聖週間)とよばれ、スペインでは伝統的な、厳かな宗教的な1週間になります。なかでもセビリアは世界的に有名で、この期間中、年間で最も世界中から観光客が訪れます。ホテルも満室になるので、早めの予約をお勧めします。セマナサンタは「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」から1週前の日曜から始まります。年によって日付が変わる移動祝日なので、日程を調べて訪問しましょう。

誰もが天気を気にする、スペインのイースター・前編 誰もが天気を気にする、スペインのイースター・前編

目だし三角帽の行列を見よう!

その1週間の間に、セビリアにある各教会区が、順番にパソ(山車)を中心地にあるカテドラルへ運びます。その巡礼を先導するのが、ナサレノ、ペニエンテとよばれる人々です。彼らは目だけ開いた三角頭きんを被っているので、初めはその格好に驚くことでしょう。キリストの苦難を体感しようと、鎖を付けたり、裸足の人も見かけました。パソを運ぶのは、コスタレロとよばれる人々です。重さは約200キロあり、たくましい男性達が強い誇りを持って、交代でカテドラルまで運びます。厳かなこのプロセシオン(行列)が、セビリアの名物です。

神聖な香りと音楽に包まれる、セビリアの街

この時期、セビリアの町を包む「香り」と「音楽」があります。まず、香の匂いです。行列やパソが通過する際にたかれますし、中心地でもその香を売る人々も現れます。日本の寺の香とも違う匂いで、オレンジの花が入っていて、この時期のセビリア名物の香りです。「音楽」とは、プロセシオンに同行するブラスバンドの演奏です。彼らは、パソが教会を出発し、戻ってくるまでの道中に演奏し、夜でも音楽を奏で続けます。この音楽もまた、セマナサンタならではです。

天気が悪いと、涙する人々

この時期に、セビリア人が気にするのが、天気です。実は意外なことに、南スペインでは夏はほとんど降らない雨が、冬から春にかけてよく降ります。雨天だと、パソの行列は中止になります。1週間のうちに、何日かは雨のためパソの出発を断念する教会が出てきます。すると悔しくて、残念のあまりに大人も子どもも涙するのです。その様子がニュースでも取り上げられるほど。地元の人は、セマナ・サンタが始まる前から天気を気にしています。宗教心が薄れてきたと言われる昨今でも、このお祭り対する市民の思いは、廃れてはいないようです。(後編へ続く)