エキゾチックなオリーブの木

乾いた大地に立ち、空と太陽を仰ぐ緑の木々。その葉は肉厚で少し硬く、古木の幹には太く複雑なひだが刻まれています。オリーブはおもに南ヨーロッパや中東、アフリカにまたがる地中海沿岸の広い範囲で見られる植物。栽培の歴史ははるか昔にさかのぼり、紀元前2000年頃の古代エジプトでは、すでにオリーブからオイルを抽出し利用していたそうです。聖書にもオリーブについての記述が多く見られ、たとえばノアの箱舟で放った鳩がくわえてきたのは、陸地があることを示すオリーブの小枝でした。

旅心を誘う木、オリーブを育ててみましょう 旅心を誘う木、オリーブを育ててみましょう

スペインのオリーブ畑は壮観!のひと言

オリーブの木が見られるのは、文化の境に位置するエキゾチックな国々が多く、旅をするとその風景が心に刻まれていきます。もしスペインを訪れたなら、南部アンダルシア地方への列車に乗りましょう。スペインはオリーブの生産量世界一を誇る国で、その多くがアンダルシア産です。車窓からは、青々としたオリーブの木々が、見渡す限り広がるすばらしい光景が見られます。乾いた地でもよく育つこの木は、日本の湿った土地の植物にはない趣があります。そして秋になると無数の実をつけ、豊かな実りをもたらすのです。

オリーブを使った意外な製品もある

こうして採取されたオリーブの実からは、さまざまな製品が作られます。オリーブオイルや実の漬物などはもちろんのこと、食品以外の物も豊富。石鹸はフランスのマルセイユ石鹸やシリアのアレッポ石鹸など近年日本でも人気が高く、また時にはハンドクリームやリップクリームなども見かけます。オリーブの木は硬くてまな板などに加工されますが、複雑な波のような木目があり色も美しく、ナチュラルでおしゃれなキッチンを演出してくれそうです。なお、日本ではあまり知られていませんが、オリーブの葉をお茶として飲むとさまざまないい効果があり、なんと老化防止も期待できるとのことです。

家庭でも異国気分が味わえる

近年日本でも、街路樹や鉢植えとしてよく見かけるようになったオリーブの木。地中海の明るい光のもとで見た姿が心に残ったら、自宅で育ててみるのはいかがでしょう。オリーブには1200種以上もの品種があるとされ、そのうち60種類ほどは日本で購入できるそう。おもしろいのが、異なる品種を2種類以上同じ場所で育てないと、オリーブには実がなりにくいということ。挿し木も可能ですがかなり難しいので、なるべく大きく育った木を2種類買ってきましょう。風にそよぐ葉を見るたびに、遠い異国を旅していた日々を思い出せるかもしれません。