路地をさ迷い歩くのがトレドの醍醐味

スペインで最もスペインらしさの残る町トレド。旧市街の中心ソコドベール広場から街歩きスタートです。私は“地図が読めない女”なので、トレドのように細かい路地が入り組んだ迷路のような町はちょっと苦手です。トレドはこれまでに10回以上訪れていますが、日本から来た友人を案内しても必ず一度は迷います。しかし、トレドの街歩きの醍醐味は、『道に迷う』ことではないかと思うようになりました。旧市街はそれほど広くありません。迷っているうちに思いがけず目当ての場所にたどり着くこともあるし、路地の両側の建物に施されたイスラム建築の意匠や、イスラムとキリストの建築様式が融合したムデハル様式の建物を見ているだけで楽しいものです。

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楽ちんで大人気のミニ観光バス「ソコトレン」

「私はもっと楽したいわー」と思う人におすすめなのがソコトレンZocotrenという列車の形をしたミニ観光バスです。所要約40分で、ソコドベール広場を出発してアルカサルの横を通って旧市街を出、タホ川の対岸からトレド旧市街の全景を見ます。それから旧市街に戻って狭い路地を抜け、サン・フアン・デ・ロス・レジェス教会やエル・グレコの家、カテドラルの前を通りながらソコドベール広場に戻ります。このソコトレン、非常に人気があるので、ハイシーズンには順番待ちになることもあります。ソコドベール広場についたらまずチケットを買って、できれば早めに乗ってしまいましょう。子供連れのファミリーにもおすすめです。

グレコが見たければトレドをめざせ

スペインを代表する画家エル・グレコ。ひょろ長く引き伸ばされた独特な人物画と青や赤の色使いが印象的です。野心を持ってトレドに来たギリシャ人グレコは、描く宗教画がことごとく教会から拒絶され、宮廷画家にもなれませんでしたが、様々な文化を受け入れてきたトレドの町の人々からは彼の絵は称賛されました。グレコが生涯を過ごした地トレドの、グレコゆかりの施設には彼の残した数々の作品が展示されています。トレドで見るグレコの絵は、マドリードのプラド美術館のそれよりも、トレドに愛され、トレドを愛したグレコという人間を身近に感じられるような気がします

トレドは“間近から”と“遠くから”見るもの

旧市街の迷路のような路地をさまよい、中世の雰囲気が色濃く残された街並みを堪能したら、今度は街の全貌をつかむためにタホ川の対岸にあるミラドール(展望台)に行きましょう。“16世紀で歩みを止めた町”トレドの全景を見ないうちはマドリードには帰れませんよ(笑)。ミラドールへはソコトレンか、旧市街の出口にあるタクシー乗り場からタクシーで向かいます。歩いても行けますが、日帰りだと時間がもったいない!!タクシーを待たせて、しばしトレドの絶景に酔いしれます。一番美しいのは夕暮れの頃。夕日に染まるトレドを見納めたら、待たせたタクシーに乗ってそのまま駅やバスターミナルに向かってマドリードに帰ります。