スペインの真ん中に位置する世界遺産の町

スペインの地図を開いてみてください。ちょうど真ん中あたりに位置するのが世界遺産の町トレドです。イベリア半島を征服した西ゴート王国の時代に首都になったり、一時、イスラム教国に支配されたのちには、レコンキスタ(国土回復運動)の重要地点となっています。ここがヨーロッパの西端で、キリスト教勢力とイスラム教勢力が拮抗した町の一つだったのですね。首都のマドリードからは南へ80キロほど。バスも出ていますが、ぜひとも列車移動がおすすめです。マドリードのアトーチャ駅は駅構内が、まるで熱帯植物園ようになっており、植物が繁茂し池には亀が飼われています。ガラスでできている箇所が多いために、冬でも構内は暖かです。そしてここからトレドまでは、AVANT(高速鉄道)でわずかに35分。到着すると、イスラム様式を取り入れたトレド駅の駅舎がまたすばらしいのです。とくにタイル装飾が美しいので、ホテルに行く前にゆっくり見学しましょう。

トレドの街並み トレドの街並み

細い迷路のような街中は、歩いて楽しい

駅から旧市街の中のホテルまで、タクシーで10ユーロほどでしょう。タクシーがこれ以上行けない階段の先にホテルがあったりと、行ってみてこの町が、階段や細い道が多い町であることがわかります。そんな街こそ、街歩きは楽しいものです。ことにトレドは、観光地ですから個人商店の土産屋も多いので、覗いてみましょう。値段はさほど高くありません。有名な土産は、黄色っぽい陶器の数々や、イスラムの国でもよく見かける象眼細工の施されたお皿です。ここでは象眼細工は、アクセサリーなどでも使われ、その場で世界でたった一つのものを作ってくれます。自分の家用に、数字の入ったタイルもいいですね。我が家でも、名前や番地を選んで購入しました。そしてトレドがいいのは、レストランでもランチが10ユーロ程度とさほど高くないこと。しかもボリュームもあって、ワインも付いているお店も少なくありません。ゆっくりブランチをとれば、夜は軽めでもいいでしょう。

トレドのパラドールは眺めと料理が最高!

トレドの古い建物を利用したホテルやレストランでは、地下空間を有効に利用している建物も多く見かけます。そして多くが、イスラム的な美しい装飾が施されています。トレドに来ると、キリスト文化とイスラム文化のいいとこどりをしたような部分が見え隠れし、そんなところを探しても面白いです。画家のエル・グレコもそんな街に魅了されて住んでいました。最高傑作『オルガス伯の埋葬』も見ることができます。トレドは大きく蛇行したタホ川に囲まれるようにしてあります。それが最もよくわかるのが、旧市街とは川を挟んで対岸にあるホテル『パラドール・デ・トレド』からでしょう。ここからの景観は抜群で、さらに食事も文句なし。予約ではぜひ、「シティ・ビュー」を選んでください。ただ町には遠いので、タクシーで行くしかなく、近隣に店もありません。街中で歴史をたっぷり感じるもよし、パラドールから眺めるもよし。さて、あなたはどちらにしますか?