ガウディが造った庭園が残る村

スペインのバルセロナから北へ130キロほど行ったところに、La Pobla de Lilletという名の村があります。都市部から離れたそんな山奥に、アントニ・ガウディが造った庭園が残っていることはあまり知られていません。世界遺産にこそ登録はされていませんが、ガウディらしいデザインや彼の目指した自然と建造物との調和した姿を見ることができる貴重な庭園です。ガウディ建築が好きな方なら絶対訪れてみたくなる、アルティガス庭園(Jardins Artigas)をご紹介しましょう。

バルセロナの北にある、ガウディが造った庭園を訪れました。 バルセロナの北にある、ガウディが造った庭園を訪れました。

お世話になったお礼から、設計された庭園

20世紀初頭、カタルーニャ州初のセメント工場創設のため出資した、エウゼビ・グエル。当時、炉の燃料には炭鉱で発掘した石炭を使用していたのですが、町から鉱山まで距離があったため、労働者や技術者らを近くに住まわせるための住居が必要でした。その住居設計を任されたのが、アントニ・ガウディです。プロジェクトの進行中、彼は当時その地域でとても裕福だったアルティガス邸に滞在することになりました。そして、お世話になった感謝の気持ちから、彼はアルティガス氏の邸宅前にあった土地を庭園として、設計することを引き受けたのです。

グエル公園のものとそっくりな、男女の像

では入口でチケットを買って、庭園へと足を進めていきましょう。この庭園の下を通るジョブレガット川を跨ぐように架けられた、二つの橋に気が付くでしょう。一方の橋はきれいなアーチを繰り返したデザインで、グエル公園内を走る高架道路を彷彿とさせます。この橋を渡った最後の欄干に、男性と女性の像があります。男性はズボンを、女性はスカートをはいて、洗濯籠を頭に乗せたような姿。これはグエル公園の高架道路で見かける洗濯女の像と類似しています。実は庭園を設計していた当時、ガウディはグエル公園建設にも携わっていました。こちらも、公園の像のように顔ははっきりと造られていませんでしたが、最近の修復時に作り直され、現在のものは公園の方の表情とは異なっています。

橋の上にある展望台は、そよ風のたなびく絶景ポイント

もう一つの橋は、本来の公園入口だった場所からすぐの所です。橋の欄干は、蛇が2匹が体をよじらせたようなデザイン。そして橋の中央には、公園で一番目立つように造られた、展望台があります。公園全体が見晴らせて、なおかつベンチがあるので休憩もできるよう設計されていました。その橋を渡りきり、右手へと進むと洞窟へとつながっています。暑い日差しを避けて、涼むのに最適なスポットです。(後編へ続く)