- 岩澤里美
- チューリヒから、スイスの情報やヨーロッパ各地で取材した話題を日本向けに執筆中。機内誌、育児雑誌、環境系雑誌、カルチャー系サイト等で連載多数。チューリヒのしっとりした街を楽しみつつ、自然にもふれて「健康第一」で生活しています。人が気づきにくい場所やお店などを見つけるのが得意です、どうぞお楽しみに。
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(左) ヘプバーンが2度目の結婚式で着用したドレス Exposition Givenchy(c)MRT (右) ヘプバーンがよくお茶を飲みに訪れたカフェ「Fornerod」外観
永遠の妖精と呼ばれる日本でも人気のオードリー・ヘプバーンは、スイスのレマン湖沿いの村トロシュナに家を買い、亡くなるまでの後半生を過ごしました。トロシュナ村は、ローザンヌから電車で10分のモルジュという町に隣接しています。モルジュは人口約1万6千人(2016年)の町です。
ヘプバーンは、モルジュで2度目の結婚式を挙げました。トロシュナに住み、モルジュで買い物したり、食事したりしていました。いまでも、それらのお店はオープンしています。
ヘプバーンが息子を連れてよくお茶を飲んだというカフェ「Fornerod」は、そんなことを一切宣伝せず、地元に馴染んでいます。オーナーに尋ねたところ「先代のころのことですね。従業員たちは、ヘプバーンを普通の人ととしておもてなししていました。店にいたお客様たちも、ヘプバーンがいるからと騒いだりしませんでした」とのこと。
スイスは有名人が暮らしやすい国、といわれるのは、そんなふうに特別扱いしないからです。
Expo Fondation Bolle 館内の様子 (c)Satomi Iwasawa with permition of Expo Fondation Bolle
ヘプバーンと馴染みが深いということで、モルジュでは毎年、主に夏季に、美術館Expo Fondation Bolleでヘプバーンにちなんだ展示が開催されます。そのほかの時期は地元に関連した展示を行っています。
ヘプバーンに関係した展示がこうして定期的に見られるのは、ヨーロッパではここだけです。小さい美術館ですが、のぞいてみるとよいでしょう(通常入場料は6フラン)。
チューリップ・フェスティバル(2019年撮影)
モルジュは、花の町としても知られています。毎年4〜5月は湖畔でチューリップ・フェスティバルがあり、6〜7月は郊外のお城の庭でアイリスが咲き誇り、8〜10月は再び湖畔でダリアが咲きます。
春のチューリップ・フェスティバルは、2020年で50回目を迎えます。380種19万本のチューリップが湖沿いの公園「Parc de l'Independance」に咲く様子は、湖に映えて美しいです。規模はものすごく大きいわけではありませんが、ゆっくりと散歩したり写真を撮ったり、楽しい時間が過ごせます。
50回目の今回は、2020年3月20日〜5月10日開催です。通常より開始日が早いですが、花の見ごろは4月初めからとのことです。フェスティバル期間の日曜日には朝市(9〜17時)もあり、おすすめです。
チューリップ・フェスティバル(2019年撮影)
フェスティバルの計画は、約1年前に開始します。今年を例にすると、モルジュの庭師たちは、2020年に入って数か月間、すでに2021年のフェスティバルのデザインを考えます。同じ場所(花壇)にあるチューリップは同じ時期に咲くように計画します。また、毎年、新種を入れるようにしています。そして、春に2019年にデザインしたフェスティバルを迎え、10月に20201年用のチューリップの球根植えが始まります。
この何十万本ものチューリップは、フェスティバルが終わって数日すると販売されます。市民が自宅で植えて、翌年楽しむことができるというわけです。よいアイデアですね。
モルジュは、湖沿いが美しく、旧市街が素敵で、お城や、美術館もいくつかある可愛らしい町なので、ローザンヌを訪れるときに時間に余裕があれば立ち寄るといいでしょう。
Expo Fondation Bolle外観 (c)Satomi Iwasawa with permition of Expo Fondation Bolle
■ Expo Fondation Bolle
住所:Rue Louis-de-Savoie 73-75, 1110 Morges
電話:+41 79 349 22 91
URL: www.fondationbolle.ch
開館時間:水曜〜日曜の14時〜17時
■Tulip festival 開花の様子は、こちらで確認を
URL: www.morges-tourisme.ch/en/Z12055/tulip-festival
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