生乳の香りすら漂ってきそうなバターシティ

バターのこってりと艶のある黄色は、その高カロリーの禁断さゆえか、見るものの食欲をかき立てる誘惑の色。バターの消費量が日本と比較しても格段に多いヨーロッパに、建造物などがまるでバターで造られたかのような魅惑的な空間が広がる地があります。“バターシティ”は、スイスの北西部にあるヌーシャテル(Neuchatel)という湖のほとりの小さな町です。

日本には存在しない、町じゅうがバターでできたような地とは 日本には存在しない、町じゅうがバターでできたような地とは

バター色に統一された、独特な空間が広がる町

ヌーシャテルはベルンから特急列車で約50分の、中世の趣が残る町です。もともとフランスの小説家・アレクサンドル・デュマが町並みを「バターをくりぬいた」と形容し、そのイメージは人々の間に広がっていきました。日本と異なり、ヨーロッパの各町では建造物などの色や大きさを規定し、風景に統一性をもたせる例をよく見ます。ヌーシャテルの町は、バター色。れんが色や白が基調の町はよくありますが、ヌーシャテルはその点でちょっぴりユニークです。

お堅いイメージのあの建築物までも、バター

ヌーシャテルの遊び心は、ショッピング客や観光客でにぎわう目抜き通りの3階建て程度の建物にとどまりません。ヨーロッパの町のシンボルともいえる大聖堂まで、バター色で統一されています。宗教家の像が拝む先は、バター色の大聖堂……どこかユーモアを感じる眺めです。湖が一望できる町の高台にある大聖堂は、晃晃と太陽光に照らされる夏など今にも溶けだしそうです。

バターの中を歩くかのような、非日常体験をぜひ

四方八方バター色のヌーシャテルは、他のしっとりと落ち着いた雰囲気の町に比べても、その黄金色に輝く町並みのためか、どこか明るい印象です。また町全体の規模も小さく細い道が数多く通っているため、おとぎ話上の不思議な世界に迷い込んだかのような楽しみもありますよ。お腹が空いても小道にはテイクアウトのフード店が点在するので心配なし。バターシティ・ヌーシャテルで、ぶらり街歩きしてみてはいかがですか?