スイスの一般的な観光地といえば

西ヨーロッパの中央部に位置する小さな山国、スイス。マッターホルンやユングフラウなど、アルプスの山々が作り出す美しい景色を見るために、多くの人々が訪れる観光国です。氷河を目の前に望む展望台に登山鉄道やロープウェイで簡単に行け、その展望台から山を下りつつ楽にハイキングができると、とても観光がしやすい国。山以外にも、大小さまざまな湖の景色や、世界遺産にもなっている鉄道、温泉など、この国ならではの楽しみが数多くあります。

スイスでおすすめ、ちょっと地味だけど味わい深いフランス語圏の町 スイスでおすすめ、ちょっと地味だけど味わい深いフランス語圏の町

自然だけじゃない! 町や村も魅力たっぷりのスイス

それでは町はどうなのでしょうか。ベルンやルツェルン、チューリヒなど、スイスにも中世の趣を残す美しい町がいくつもあります。しかしそうした有名どころだけでなく、知られていないながらも味わい深いという町もかなりあるのです。たとえばレマン湖に面したニヨンや、ドイツ語圏とフランス語圏の境にあるフリブール、チーズで有名なグリュイエール村、スイス南部のツェルマットやサース・フェー周辺の村、スイス最東端のエンガディン地方の村々などは、古い町並や伝統的な家屋を眺めながらの散策が楽しい場所です。実はスイスには、こんな風に有名ではないけれど「ちょっといい感じ」の町が結構あるのです。今回はその中で、私が気に入っている町を2つご紹介します。

湖と街並みが美しいヌーシャテル

ヌーシャテルはスイス北西部、フランス国境近くにある町。ヌーシャテル州の州都ですが、人口は3万4000人ほどで、大きな町とはいいがたいです。透明感のある水色のヌーシャテル湖のほとり広がる町の建物は、黄色い石で造られているのが特徴的。『三銃士』の作者のアレクサンドル・デュマはこの町並みを、「バターをくりぬいた」と表現したそうです。趣ある旧市街を歩いて丘へ上ると、12世紀に建てられた城と参事会教会がそびえています。この教会の内部の天井は、紺色に星のような模様が描かれてとてもメルヘンチック。なんともいい雰囲気です。フランス語圏の町は、どこか瀟洒で軽快で優雅。夢見るかのような、ふわりとした雰囲気が漂うように思われます。

ダイナミックな眺めと静けさが印象的なシオン

シオンもフランス語圏の町で、スイス南西部のヴァレー州というワインの名産地にあります。こちらも州都で、人口は約3万3000人。町なかに大きく盛り上がった丘が2つあり、それぞれの頂に城と教会が建つ様子は町のあちこちから見えます。丘に上ると、眼下には灰色屋根の家がびっしりと建ち並び、その周辺にはワイン畑が広がる様子が一望できます。ハイシーズンの夏のスイスでも、シオンの町には観光客が多すぎることもなく、しっとりと落ち着いた空気が漂っていました。ヌーシャテルとシオン。どちらもすごい見どころがあるわけでもなく、スイスではかなりマイナーですが、人々の暮らしと伝統が調和した美しい町です。時間があれば立ち寄って、のんびりと散策してみるのもおすすめです。