オーストリアのアドモント修道院図書館

オーストリアやチェコなどの中央ヨーロッパは、美しい修道院図書館の宝庫です。オーストリアのど真ん中に位置するアドモントにあるベネディクト会修道院の図書館は、世界で最も大きな修道院図書館のひとつです。11世紀に創設された由緒ある修道院の図書館(1773年完成)には、15万冊の印刷本のほかに8世紀まで遡る手書きの時代の写本が1600冊、16世紀以前の初期印刷本が500冊も収蔵され、一部を除いて一般に公開されています。白い書棚に淡いピンクの柱、青を基調とした天井画が美しいバロック様式の室内は、宮殿のホールのような優雅さです。

ため息が出るような美しさ!!ヨーロッパの絢爛豪華な図書館をめぐる(その2) ため息が出るような美しさ!!ヨーロッパの絢爛豪華な図書館をめぐる(その2)

世界遺産・スイスのザンクト・ガレン修道院図書館

スイス北東部に8世紀に開かれたザンクト・ガレン修道院は、学問の総本山として中世ヨーロッパにその名を轟かせていました。この図書館も世界最大級の中世の文献の蔵書数を誇り、16万冊に上る貴重な蔵書が収蔵されています。なかでも8世紀から12世紀に修道士たちによって書き写された2000冊の写本は、神学だけでなく医学や天文学の分野にまで及んでいます。バロック建築の傑作である室内は、磨きぬかれた木の書棚のつややかさとユニークな天井の装飾が個性的で美しく、修道院内のカテドラル(大聖堂)よりも印象的なほどです。

チェコ・プラハのストラホフ修道院図書館

プラハの町の西の丘に建つ、白壁にオレンジ色の屋根が美しいストラホフ修道院は、1143年に創設されました。この修道院の荘麗な図書館は「哲学の間」と「神学の間」と名づけられ、後期バロック様式の装飾が施されています。1782年に造られた哲学の間は、壮大なフレスコ画「人類の精神史」が天井から私たちを圧倒し、クルミ材の書棚が床から天井に届かんばかりに、壁一面を覆っています。その奥にある神学の間は、書架よりも壁から天井に至る装飾のほうが多く、砂糖菓子のような漆喰の装飾が華やかさを醸し出しています。哲学の間は落ち着いた知性を感じさせ、神学の間では天上界にいざなわれるような気分になってきます。

アイルランド・トリニティカレッジ図書館

絢爛豪華なバロック様式の修道院図書館が続いたので、最後はシンプルで美しい大学の図書館へ。アイルランドのダブリンにあるトリニティカレッジは、1592年にイギリスのエリザベス1世によって設立されたアイルランド最古の大学です。トリニティカレッジの図書館には、エジプト時代のパピルスをはじめ500万点の書籍が収蔵されていますが、1200年前につくられた福音書の写本「ケルズの書」はその中でも最も有名な本であり、世界で一番美しい本といわれており必見です。旧図書館の主室は、奥行き65メートルの木造二階建てで、びっしりと本が納められた書棚と天井のアーチが整然と続き、装飾を削ぎ落とした美の極みともいえるでしょう。