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海外現地発ガイド通信

陶器の町キュタフヤに保存されたハンガリー人の家


掲載日:2017/11/12 テーマ:美術館・博物館 行き先: トルコ / アンカラ

タグ: 珍しい 博物館 歴史


陶器の町として知られるキュタフヤ

トルコ陶器の定番、ペルシャ的な絵柄のコーヒーカップ トルコ陶器の定番、ペルシャ的な絵柄のコーヒーカップ

キュタフヤと言えば直ぐにトルコの陶器を思い浮かべる。実に美しい絵柄だ。色彩豊かで多くの模様があり、ヨーロッパ的なパターンとは異なっている。現在、イスタンブールのバザールや土産物店で売られているトルコ的絵柄の皿やコーヒーカップの殆どがキュタフヤで生産されている。美しい割には価格も手頃。イスタンブールで既に買われた方がいるかもしれない。キュタフヤはイスタンブールとアンカラとの間にあるが、広いトルコの地図を、見ると西の端の方にある感じがする。エーゲ海からも地中海からも遠く、内陸にある古い町だ。マルマラ海から東アジアへの通商路にあり、古くから交易の要衝として栄えていた。陶器はさておき、町でキュタフヤの観光名所を訪ねると、ハンガリー人が住んでいた家があるから行ってごらん、と言われた。

ハンガリー人の家が観光名所に

簡素な屋並みの住宅地だが、なんとなく趣がある 簡素な屋並みの住宅地だが、なんとなく趣がある

ハンガリー人って、誰だろう?15世紀の半ば、当時のビザンチン帝国の首都コンスタンチノープルをオスマン帝国のメフメット二世が攻め落とそうとした際、ウルバンという名のハンガリー人が大砲を売り込みにやって来た。メフメット二世はこの大砲が気に入っていくつか買い取り、コンスタンチノープル攻略に成功したという。まさか、そのウルバンが住んでいた家ではあるまい。町の中心部を離れると住宅地になり、二階建てのモルタル塗装家屋が並んでいる。町の観光名所の一つと言われるその家は、坂を上がった丘の中腹にあった。近づいてみると、白い外壁に記念石板が掛かっていた。そこにはトルコ語とハンガリー語の2つの記念石板があり、コシュート・ラヨシュの名が刻まれていた。なんと、あのコシュートが!と驚く。

オーストリア軍の弾圧を逃れてキュタフヤへ

古い木造の家は真っ白なモルタルで補修され、庭にはコシュートの銅像もある 古い木造の家は真っ白なモルタルで補修され、庭にはコシュートの銅像もある

1849年のハンガリー革命で敗れ、トルコに亡命したとは聞いていたが、キャタフヤに来ていたとは!コシュート・ラヨシュ(1802〜1894)といえばハンガリーの英雄だ。大きな町には必ず銅像があり、ブダペストは勿論、地方都市、小さな村でも彼の名を冠した道や広場がある。ハンガリーへ旅した人は彼の名前を憶えてしまうであろう。ハプスブルク家の支配を断ち切って独立したハンガリー国家の建設を目指し、オーストリアと闘った。共に戦っていたハンガリー貴族の仲間たちは革命後に転向し、ハプスブルク家に忠誠を誓って新しい政治体制の中で出世していった。それを最後まで拒んだのがコシュートだった。私利私欲を捨て、海外で暮らしながら死ぬ直前までハンガリーの独立を叫んでメッセージを送り続けていた。

トルコの人々からも尊敬されているハンガリーの革命家

コシュートが亡命生活を送った町を記したヨーロッパ地図 コシュートが亡命生活を送った町を記したヨーロッパ地図

石板によると、コシュートはトルコ政府の客人として1850年から1年間この家に滞在していた。コシュートの生誕150年を記念して1952年にこの石板が掲げられた、とある。公開されている内部にはコシュートの亡命先が地図で記され、ヨーロッパ各地、そしてアメリカへも渡っていたことが判る。最後はイタリアのトリノに落ち着き、91歳の生涯を終えた。家は古いが中は西ヨーロッパ風の作りで、住み心地は良かったに違いない。庭が広く、バラがたくさん植えられている。多くの仲間を失った直後にここへ来た。キュタフヤで心の傷を癒していたのだろう。トルコの人々は言う。ケマル・アタチュルクのように理想の国家を建設することは出来なかったが祖国のために戦った姿はケマルと同じだ、と。「コシュートはハンガリーのケマル・アタチュルクだ!」と。

データ

外壁に掲げられたトルコ語(左)とハンガリー語(右)のプレート 外壁に掲げられたトルコ語(左)とハンガリー語(右)のプレート

コシュート・ハウス・ミュージアム
Kossut House Museum
住所:Macar evi Muse, Gediz Cad No.27、Kutahya 
電話:90-274-223-6214
開館時間:0800〜12:00、13:00〜17:00
休館日:月曜
入館料:なし

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2017/11/12)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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