- 洋子・オーレテン
- 1997年よりトルコ在住。2008年よりイスタンブール在住。イスラム建築や装飾の素晴らしさ、世界三大料理トルコ料理の美味しさ、人々の温かさに囲まれながら、“どんな時でも楽しく”をモットーに日々奮闘中です。
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華麗なコリント様式の円柱が見事なトラヤヌス神殿 。ローマ時代の建立
トルコのエーゲ海地方には、数多くのギリシャやローマ時代の遺跡が点在しています。今回紹介するペルガモン(Pergamon)遺跡もその内の一つ。エーゲ海の中心都市・イズミールからも遠くはなく、是非とも立ち寄って頂きたい遺跡です。なお、現在の町のトルコ名はベルガマ(Bergama)という小さな町です。
トラヤヌス神殿の全望。 コリント様式の円柱と背後のイオニア様式の列柱とのコンビネーションが面白い。白亜の大理石が陽に輝く姿は神々しい
古代、アレキサンダー大王の武将であったフィレタイオスが築いた都市として発展、その後ペルガモン王国の首都として、紀元前2世紀頃に大いに栄えました。ローマ帝国とも友好な関係を築き、この時代のヘレニズム王国としては突出した存在として知られています。
この遺跡も他の遺跡同様なかりな規模のもので、山の斜面を利用して造られたアクロポリスと、山の麓にあるアスクレピオン(Asklepion)という医療施設の二つに分かれています。
これほどまでの急斜面に造られた大劇場は珍しい
まず、アクロポリス。遺跡の保存状態は相当に良くて、大劇場やトラヤヌス神殿、アテナ神殿など、見どころのいっぱい。特に、白く輝くトラヤヌス神殿は見事な装飾が施され、圧巻です。急斜面に造られた大劇場は、当時1万人もの観客を収容出来たというもの。この劇場の舞台は石造りではなく、撤去可能な木製だったそうです。ここからの眺めは抜群。
続いてアスクレピオン。ここは元々紀元前4世紀頃に造られた聖なる泉があった場所で、そこにギリシャ神話の医療の神・アスクレピオスに捧げられた医療施設が建てられました。聖なる泉には今も水が沸いています。小さいながらも劇場もあり、医療施設としてだけではなく、町としても機能していたようです。また、アクロポリスとアスクレピオンは、当時は聖なる道で繋がっていたそうです。
ただ、ペルガモン遺跡からの出土品の多くは、ここを発掘したドイツ隊が自国へと持ち帰ってしまったため、トルコには殆ど残されていないのが現状なんです。ベルガマの町の中にある考古学博物館に、ハドリアヌス像など少ないながらも展示されてはいます。主な出土品は、ベルリンにある『ペルガモン博物館』で見ることが出来ます。
アクセス:ベルガマへは、イズミールよりバスで1時間30分。ベルガマの町から遺跡までは相当な距離があるので、タクシーの利用をお薦めします。イズミールからは日帰りで行けます。
ベルガマの町は小さいながらも、ペンションやレストランなどもあります。
■ベルガマ考古学博物館
開館時間:8:30〜12:00、13:00〜17:00
休館日:月曜日
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