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パピルスを駆逐した羊皮紙は、あのベルガマ(古代ペルガモン)で生まれた

掲載日:2018/09/13 テーマ:観光地・名所 行き先: トルコ / ベルガマ ライター:オキシマ・ヒロミ

タグ: おもしろい ショッピング 遺跡 図書館 世界遺産 珍しい 歴史



ABガイド:オキシマ・ヒロミ

【トルコのABガイド】 オキシマ・ヒロミ
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東京在住。2001年にイスタンブールを訪れて以来、トルコに魅せられて取材を重ね『イスタンブールと西北トルコ』(日経BP社)を出版。2014年秋には南東アナトリア地方を徹底取材する。チグリス川とユーフラテス川上流のメソポタミア地方には聖書縁の地や古代遺跡がたくさん。人気観光国トルコの、主にまだ余り知られていない町や地域を紹介する。

アクロポリスの丘にあった図書館の場所から、隣のトラヤヌス神殿跡を眺める アクロポリスの丘にあった図書館の場所から、隣のトラヤヌス神殿跡を眺める

ベルガマにもう一つのテーマを見出す

羊皮紙、と聞くと、修道院で筆写している修道士たちの姿が目に浮かび、なんだか急に中世の世界へ引き込まれた気持ちになる。この羊皮紙、実はトルコのベルガマ(古代ペルガモン)が発祥の地とされている。羊皮紙というから当然、羊から作ると思っていたが正しくは山羊だそうだ。もちろん、動物の皮に文字を書く習慣はそれ以前からあり、牛や鹿、豚、羊の皮が使われていた。写本用にベルガマで開発された山羊の皮は非常に高品質な羊皮紙だった。ペルガモン王国はアクロポリスの丘に大きな図書館を建設し、写本することで蔵書を増やしていった。ただでさえ見どころの多いベルガマが羊皮紙発祥の地だったとは驚きで、もう一つベルガマを訪れる楽しみが増えた。現在は一見、普通のトルコの町だが、非常に高度な文化と長い歴史を持つ町なのである。

 

アスクレピオンの参道からは、アクロポリスの丘全体が良く見渡せる。図書館は丘の上、トラヤヌス神殿の右側にあった アスクレピオンの参道からは、アクロポリスの丘全体が良く見渡せる。図書館は丘の上、トラヤヌス神殿の右側にあった

高い文化を誇ったペルガモン王国

ベルガマの世界遺産、アクロポリスの丘にはトラヤヌスの神殿や大劇場などが遺跡らしい形を留めている。王宮跡や松の木が2本あるゼウスの祭壇跡も見所となっているが、図書館に関しては注目度が低い。殆ど形跡を留めていないので無理からぬことだが、この図書館こそ、ペルガモン王国が誇りにしていたものだった。古代世界ではエジプトのアレクサンドリアにあった図書館と一、二を競っており、ギリシャ哲学や天文学、数学など、蔵書の数は2万冊とされている。2万冊とはかなりの数で、本当かな、と疑ってしまうが、それまでのパピルスは製本に向かず巻いて保存されたため正しくは2万巻。両面刷で文字の小さな現在の書物なら5千冊程度とのこと。それにしても当時としては数が多く、高い文化の町であったことが伺える。

 

ベルガマで行われている羊皮紙作り。ピンと強く張ったヤギの皮を乾かしている ベルガマで行われている羊皮紙作り。ピンと強く張ったヤギの皮を乾かしている

パピルスに代わる良質の紙がベルガマで作られるようになった

ペルガモンは蔵書の数を増やすためにエジプトからパピルスを輸入していた。ところがエジプトとペルガモンとの間でトラブルが起こり、エジプトはペルガモンへのパピルス輸出を禁止した。このためペルガモンは独自に紙を開発するようになり、その結果生まれたのが山羊の皮で作る羊皮紙だった。ペルガモンのあるアナトリア地方では羊やヤギの放牧が盛んで食用に飼育されており大量の皮が入手できた。羊も使われたが最も紙に適しているのが山羊の皮で、紀元前190年に初めて山羊の皮の紙が誕生した。パピルスより数段優れていたヤギの羊皮紙は瞬く間に古代世界に広がっていった。ペルガモンで開発されたこの羊皮紙はPergamonが語源となって英語でパーチメントperchment、ドイツ語でペルガメントPergamentと呼ばれ、今日に至っている。

 

ベルガマで羊皮紙の作り方を弟子に教える巨匠イスマイルさんと弟子たち copyright :  Raif Metin,  Municipality of BERGAMA 写真は世界遺産ベルガマ委員会が提供 ベルガマで羊皮紙の作り方を弟子に教える巨匠イスマイルさんと弟子たち copyright : Raif Metin,  Municipality of BERGAMA 写真は世界遺産ベルガマ委員会が提供

ベルガマを訪れたら是非、羊皮紙の土産物を買おう

羊皮紙の作り方は、まずヤギの皮を水酸化カルシウムに10日間ほど浸しておく。すると毛が抜けやすくなるので弓型のナイフで丁寧に毛を削り取る。これを木枠に張って伸ばしながら乾かしていく。良質の羊皮紙に描かれたものは何百年も前のものとは思えないほど色彩が保たれている。現在ベルガマでは古代から行われていた製法を途絶さないよう、羊皮紙作りの巨匠が技術を弟子に伝授している。市内には羊皮紙専門店ペルガモン・パーチメントがあり、栞など土産物に適した小物や木枠に張られた山羊の皮アートなどが売られている。観光名所のアスクレピオン入口にもショップがある。ベルガマで買い損ねた場合はイスタンブールの羊皮紙店カレ・デリでも入手することができる。この素晴らしい古代からの伝統文化作品を、なんとか土産に持ち帰りたい。

 

15世紀のイタリアでヤギの皮から作られた羊皮紙の聖歌集に施されたイニシャル文字のA。今日まで色鮮やかに保存されている(羊皮紙工房所有) 15世紀のイタリアでヤギの皮から作られた羊皮紙の聖歌集に施されたイニシャル文字のA。今日まで色鮮やかに保存されている(羊皮紙工房所有)

データ

ペルガモン・パーチメント
Pergamon Parchment
住所:Ataturk Bulvari, No.54, Bergama, 35700 Izmir
電話:+90 232 632 00 44
開店時間:9:30〜18:30
休日:日曜祭日は閉店
info@pergamonparchment.com
予算:羊皮紙で作った栞が2米ドル〜、A4サイズ程度の木枠に張った羊皮紙アートが30米ドル〜

イスタンブールの羊皮紙店
カリ・デリ
Kare Deri
住所:Cukurcuma Caddesi No. 19/C, 34425 Beyoglu, Istanbul
電話:+90 212 252 22 06
オープン:月曜から土曜の10:00~18:00
休日:日曜・祭日

羊皮紙に関する問い合わせ、また、グループでベルガマの羊皮紙ワークショップに参加したい人は、
下記の羊皮紙工房へ連絡を:
羊皮紙工房 代表:八木健司
http://www.youhishi.com/
info@youhishi.com

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2018/09/13)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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