page top

出発エリアをに変更しました。

海外旅行の検索・比較サイト|エイビーロード
AB-ROAD
トルコ・ブルサ・歴史の現地ガイド記事
RSS

海外現地発ガイド通信

タイルの本場イズニックで、復活したイズニックタイルを鑑賞しよう


掲載日:2020/11/18 テーマ:歴史 行き先: トルコ / ブルサ

タグ: ショッピング 街歩き 素晴らしい


モスク巡りで目にするタイルの多くがイズニック製

イズニック市内にある噴水はもちろんイズニックタイルで覆われている。背後に見えるターコイズブルーの湖はイズニック イズニック市内にある噴水はもちろんイズニックタイルで覆われている。背後に見えるターコイズブルーの湖はイズニック

タイル好きには楽しくてたまらないトルコ。トルコでモスクを訪れる度に、内部に施されたタイル装飾の美しさにため息が出る。大都市では土産物店に必ずトルコ的絵柄のタイルやインテリア用の大皿、デミタスカップなどが並んでいる。眺めて歩くだけでも楽しい。イスタンブールなど観光客の多い町で見かけるコーヒーカップなどの陶器は殆どがキュタフヤで作られている。食器を求めてキュタフヤに出かけるもの良いであろう。しかし、本格的タイルを求めるならイズニックだ。イスタンブールからマルマラ海を挟んで南東にある小さな町イズニック。歴史的にはニカイア公会議で知られている。キリスト教初の宗教会議はここイズニック(旧ニカイア)で325年に開かれた。世界史の教科書に出てくるので誰でも知っているであろう。今日イズニックの町では至る所でイズニックタイルに出会う。

イズニック産タイルの青は、当時全てイズニックブルーと呼ばれた

イスタンブールのトプカプ宮殿ハレム内に残る、16世紀のイズニックブルーのタイル イスタンブールのトプカプ宮殿ハレム内に残る、16世紀のイズニックブルーのタイル

イズニックはオスマン帝国となる以前から陶器造りが盛んに行われていたが、それは古くから周囲に陶器に必要な良質の土があったためだった。イズニックは14世紀にオスマン帝国となり、15世紀から中国の影響を受けて白地にブルー模様のタイルが盛んに作られるようになった。16世紀半ばになって初めて銅を使うことで赤い色が出現する。これは画期的なことで、「イズニックの赤」と呼ばれた。それまでの青や紺、緑に赤が加わり、イズニックタイルは色鮮やかなものになっていった。模様も豊富になり、幾何学模様や唐草模様を受け継ぎながらチューリップやカーネーションなど花をモチーフにしたものが主流になって17世紀には最盛期を迎えた。しかしその技術は門外不出だったため、職人の不足と共に衰退し、また良質な土が枯渇してきたため、同じような土が産出するキュタフヤに陶器生産が移っていった。

財団を設立して復活したイズニックタイル

イズニック財団で技術を学ぶ研修生たち イズニック財団で技術を学ぶ研修生たち

消えてしまったイズニックタイルを復活させようと、1993年、イズニック財団が設立された。門外不出とされて職人の記録や文献が残されていないため、イスタンブール工科大学とマサチューセッツ工科大学が共同研究を行った結果、石英を使ったイズニックタイルの復元に成功した。原料にクアーズムと呼ばれる石を粉にして土台をこねる。白くてかたい陶土にガラス質の溶融物を含んだ化粧土を着装させ、素焼きする。それを1週間かけてゆっくり冷まし、十分に冷めてから絵付けする。絵付けを終えたタイルは鉛分の多い釉薬をかけて焼き上げる。こうして300年以上前のイズニックタイルが蘇った。財団では現在、若手陶芸家たちの育成にも取り組んでいる。アトリエではイズニックタイルに情熱を燃やす陶芸家たちが学び、ショールームにはタイルの数々が展示されている。もちろんショップもある。

イスタンブールで楽しめるイズニックタイルの作品

イスタンブールのアジア側、ウスクダラ駅構内にはエディルネのムラディエ・モスク内装飾が再現されている イスタンブールのアジア側、ウスクダラ駅構内にはエディルネのムラディエ・モスク内装飾が再現されている

ここはイスタンブール。どこかの博物館あるいは展示会場か、と思ってしまうが実は地下鉄駅のホームだ。イスタンブールの地下鉄駅ホームには大きなイズニックタイルのタブローが飾られている。駅によって図柄はまちまちで、イスタンブールの風景を雄大にタイルで描いたものもある。この作品はウスクダラ(ユスキュダル)駅構内にある作品で、デザインはエディルネのムラディエ・モスク内のタイル装飾をそのまま再現したもの。ムラディエ・モスクは15世紀前半に建てられたのでイズニックタイルはまだ使われず、イランの職人が手掛けたとされている。六角形のタイルに描かれた紺と白の図柄は総じてアラベスク模様と呼ばれる美しいものばかり。それが三角形のブルーのタイルで繋がっている。このブルーはイズニック湖の色なのか。トルコには色々なブルーがある。エーゲ海のブルー、地中海のブルー、トルコ石のブルー。でも、イズニックタイルに用いられたブルーは、きっとイズニック湖の色なのだと思う。

データ

イズニックタイルに使われるクアーズムと呼ばれる白くて硬い石 イズニックタイルに使われるクアーズムと呼ばれる白くて硬い石

イズニック財団アトリエ
Iznik Vakfi Atolyeler

住所:Selcuk, Vakif Sok. No.13, 16860 Iznik/Bursa
電話:+90 224 757 60 25
http://www.iznik.com/

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2020/11/18)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて

 

キーワードで記事検索

検索