大城塞で守られてきた南東アナトリアの古都ディヤルバクル

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大城塞で守られてきた南東アナトリアの古都ディヤルバクル

掲載日:2015/03/08 テーマ:観光地・名所 行き先: トルコ / ディヤルバクル ライター:オキシマ・ヒロミ

タグ: レストラン 街歩き 朝食



ABガイド:オキシマ・ヒロミ

【トルコのABガイド】 オキシマ・ヒロミ
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東京在住。2001年にイスタンブールを訪れて以来、トルコに魅せられて取材を重ね『イスタンブールと西北トルコ』(日経BP社)を出版。2014年秋には南東アナトリア地方を徹底取材する。チグリス川とユーフラテス川上流のメソポタミア地方には聖書縁の地や古代遺跡がたくさん。人気観光国トルコの、主にまだ余り知られていない町や地域を紹介する。

休日に遅い朝食を楽しむ市民たち 休日に遅い朝食を楽しむ市民たち

2層になった回廊が美しいハッサン・パシャ・ハン

 長方形の大きな建物の中は吹き抜けになってテントが張られていた。その昔、シルクロードを行きかう商人たちが荷を下ろした場所だ。ハン(Khan)とは交易の場のこと。ディヤルバクルは16世紀前半にオスマン帝国の1都市となって以来、目覚ましい発展を遂げてきた。この建物はオスマン帝国から派遣されたハッサン総督によって1575年に建設された。彼はスレイマン大帝以後3代に渡って仕えた名宰相ソコルル・メフメットの息子で、父と同じく有能だった。ハンを建設して商人の安全を確保したことで町は栄えた。寝泊まりする部屋やラクダや馬をつないでおく場所もあった。17世紀オスマン帝国の著作家エヴィリヤ・チェレビの著書の中に、このハンが登場している。現在はレストランで日曜日は品数の多いブランチが大人気。2階の回廊にも席があり、ここからは全体を眺めることができる。

 

町の中心部、ガズィGazi通りに面したウル・モスク 町の中心部、ガズィGazi通りに面したウル・モスク

 教会の様な形をしたモスクは、やはりかつて教会だった

 ハッサン・パシャ・ハンの真向かいにウル・モスクがある。ウルとは偉大な、雄大な、という意味で文字通りディヤルバクルの中心モスク。正面入り口から入ると大きな中庭に出た。通常、モスクの中庭にはどこでも日本の神社のように御清めの場があり、トルコでは円形の噴水形式になっている。足を洗っている男性を良く見かけるがモスクの中は裸足で入るので皆、徹底的に体を清めるのであろう。本堂はかつて教会だった建物を改修しているため細長い長方形をしており、典型的モスクとは異なっている。内部には本がぎっしり詰まっている書棚があった。敬虔な信者なのか、書棚の前に座り込んでじっと書物に読みふけっている男性がいた。

 

今にも倒れそうに見えるが何百年もこの状態を保っている 今にも倒れそうに見えるが何百年もこの状態を保っている

ビザンチン時代の遺物を活用してミナレット建設

 ウル・モスクから少し南へ歩いた所にシェイク・ムタハール・モスクがある。半球型の屋根を乗せた正方形の建物で本堂自体は典型的な形だが、変わっているのはミナレット。「4本の足のミナレット」と呼ばれているが、足というより4本の円柱の上に四角い塔を乗せた様で不安定な印象を受ける。しかも道の真ん中にある、という不自然さ。一体どうしてミナレットがこんな風になったか、というと、ビザンチン帝国時代の建物の一部が残っていたからだった。16世紀初頭にシェイク・ムタハール・モスクが建設されたとき、イスラム教の4つの学派を表すのに最適、と近くにあった石柱を利用してミナレットが建てられた。町の人たちは「最高のリサイクルだろ?!」と自慢している。

 

 市壁上のカフェではたくさんの若者たちが寛いでいる  市壁上のカフェではたくさんの若者たちが寛いでいる

大城塞の上は憩いの場

 ディヤルバクルは3世紀頃に造られた高い城壁で取り囲まれている。城壁の長さは5.5Km、と非常に長く、これは万里の長城に次ぐ世界第2の長さと言われている。約2万キロもある万里の長城との比較は難しいとしても、町を取り巻く市壁としては世界最長かもしれない。ヨーロッパの古都に残る市壁はせいぜい3〜4Kmまで。高さもディヤルバクルの市壁は7〜8m、幅は3〜5mもあって威圧的だ。町の南側に突き出た市壁の上はカフェになっている。城壁の真下には緑の農園と果樹園が広がっている。チグリス川から引かれた川がそこを貫くように流れていく。アナトリアの乾いた大地で、これだけ潤いのある町は少ない。緑に恵まれた美しい古代都市ディヤルバクルである。

 

 町を取り巻く大城塞  町を取り巻く大城塞

 データ

ディヤルバクルへはイスタンブールより空路で1時間50分
ディヤルバクル市内は路線バスが頻繁に走っているが、中心部は徒歩で回れる

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2015/03/08)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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