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海外現地発ガイド通信

1万2000年前に建設された世界最古の神殿ギョベクリテペ


掲載日:2016/04/11 テーマ:遺跡 行き先: トルコ / イスタンブール

タグ: すごい! ミステリー 遺跡 博物館


最近になって掘り起こされた神殿跡

のどかなギョベクリテペの風景 のどかなギョベクリテペの風景

トルコの南東部は文明発祥の地。チグリス川とユーフラテス川には挟まれたメソポタミア地帯では“どこかを掘れば遺跡が出てくる”、と言われているくらい遺跡が多い。観光でヨーロッパを訪れると、私たちが目にするのは古くてもせいぜい8世紀くらいの建造物。ところが南東アナトリアでは、時には石器時代にまで遡る遺跡に遭遇する。エーゲ海や地中海沿岸ではトロイの遺跡のように19世紀後半に発掘されて有名になったものが多いが、南東アナトリアには最近になって発掘された非常に貴重な歴史遺産が点在している。その一つがトルコ南東部、メソポタミアの大地に広がるおよそ32haのギョベクリテペの遺跡だ。この発掘は人類初期の社会生活のあり方を考え直す重要な研究材料となっている。

これまでの世界最古を覆したギョベクリテペ

発掘作業が進む円形の神殿跡 発掘作業が進む円形の神殿跡

ギョベクリテペはトルコ南東部の小高い丘の上にある。拠点となる町はシャンリ・ウルファ。そこから北東へ約15キロの赤い大地にギョベクリテペの遺跡は埋もれていた。1963年、イスタンブール大学とシカゴ大学の合同調査でここに遺跡があることが判る。しかし発掘作業がドイツの考古学者の協力で始まったのは1995年のことだった。2006年にドイツの有名な雑誌「シュピーゲル」および「GEO」にギョベクリテペの詳しい記述が載る。これによって世界中に知られるようになり、2007年からドイツの考古学者指導の下に本格的に発掘が行われた。調査の結果、直径20〜30mほどの円形や楕円形に石を積み上げた建造物が発見され、人々が祈りを捧げていた神殿であることが判明。それは紀元前1万年頃に建設されたものであり、これまでマルタ島の巨石神殿が世界最古の神殿とされていた説が覆される。

1万2千年前の芸術作品に出合う瞬間

T字型の大きな石にはキツネのレリーフが描かれている T字型の大きな石にはキツネのレリーフが描かれている

発掘はまだ全体のほんの一部しか終わっていない。円形の神殿は既に4つ掘り出されているが、地下の探査により同じような神殿は少なくとも合計20個はあるとされる。発掘された円形神殿の内側にはT字型をした5mほどの大きな石がいくつも立っている。T字型は人間の形を表しているようにも思える。そして胴体部分にはキツネ、ライオン、イノシシ、蛇、鳥など、様々な動物が刻まれており、簡素な描法は芸術的とも思える。大きな石は5〜10トンもあり、ここから500m西にある石山から切り出して持ち込まれたと考えられている。シャンリ・ウルファの考古学博物館にはギョベクリテペからの出土品や、石を運ぶ様子などを再現した展示があり、博物館と合わせて見学すると理解が深まる。

文明より以前に宗教が存在していた

神殿建設のため石を運ぶ人々 神殿建設のため石を運ぶ人々

もう一つ、定説を覆す事実がある。これまで宗教というものは人間が農耕生活を始めて定住したときに生まれたと考えられていた。ところがギョベクリテペには人々が住んだ形跡がない。年代から考察しても人々がまだ狩りをして暮していた時代に神殿が作られているのだ。このことは農耕という最初の文明以前に宗教があったことを物語っている。現在も発掘調査は絶え間なく続けられ、現場では土埃が上がっている。周りを見渡すと、赤い岩肌に生えているのはオリーブの木だけ。ギョベクリGoebekli とは太鼓腹、テペTepeは丘のこと。遠くからはポッコリ膨らんだ丘に見えるのであろう。今から1万2000年という想像もつかない大昔に、人々はこの丘で何を信じ、何を祈ったのであろうか。

データ

発掘作業が進む現場 発掘作業が進む現場

ギョベクリテペ
Goebekli Tepe
見学時間:4月から10月は8:00〜19:00、
     11月から3月は8:00〜17:00
入場料:5トルコリラ (1TL=約43円)
閉場日:月曜
見学の拠点となる町はシャンリ・ウルファ(イスタンブールより空路でシャンルウルファ空港まで1時間50分)
公の交通機関はなく、ホテルで往復のタクシーを交渉してもらう。
シャンリ・ウルファより北東へ約15キロ、車で20〜30分
タクシー料金は往復で5000円ほど

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2016/04/11)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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