トルコのイスタンブールにある絨毯屋でバイトしていた時のこと

当時僕は、旅の途中でイスタンブールの絨毯屋でバイトしていました。主な仕事の内容は店番ですが、バックパッカーの友人たちからは、「店番というより、用心棒みたいだね」と言われる始末。いつも店には大勢の日本人旅行者たちが集まって、ダラダラ時間を過ごしていました。店には、「チョジュック」と呼ばれる小僧さんが3人いました。アルタンはギリシャ系で青い目を持ち、もう一人は敬虔なイスラム教徒、もう一人は経営者の親せきで、名前はエンギン。動きの素早い二人に対して、いつもモタモタ働いている18歳です。

トルコの盛大な結婚式は、実は重要なお見合いの場であった? トルコの盛大な結婚式は、実は重要なお見合いの場であった?

意外に誰でも招待させる世界の結婚式

2か月ほどすると、エンギンが結婚することになりました。お嫁さんは16歳です。エンギンはとてもうれしそうに、「式に来てくれよ」と言います。「誰でもいいから、たくさん呼んで、盛大にやりたいんだ」。タイでもインドでも、通りがかりで結婚式に呼ばれたものですが、トルコでも似たようなものでした。みなさんも、そんな経験ありませんか? 外国人のお客がいると、新郎新婦や親戚一同が鼻高々になるようです。ですから、もし旅先で結婚式に招待されたり、通りすがりでも、誘われたら、素直に応じたほうが楽しいですよ。

結婚式には男女ともに、結婚式の秘めた目的があった!

結婚式は盛大に行われ、数百名もの招待客が、集まってきました。モーニングに身を包んだエンギンは、まだ幼い面立ちの新婦と神妙な顔で、ひな壇に座っています。立食式の豪華な料理に、飲み物はイスラム教徒らしく、ノンアルコールです。生バンドがイスラム風の音楽を奏でます。やがて招待客たちは、思い思いに踊り出します。アルタンもこの日はおめかししています。「今日の式は、いい子がいないなあ」。どういう子か尋ねると、結婚式はお見合いの場所でもあったのです。若い女の子たちの熱い視線が、ハンサムなアルタンに注がれます。「男女が一緒になるのは、こういう場所しかないからね。それに新しい友達ができるのもいいよ」。僕はエンギンやアルバンと、この式以降、急速に親しくなりました。

偶然とはいえ、日本でアイバンとばったり再会! 

それから数年後、僕はたまたま東京の代々木八幡にある「東京ジャーミイ」というトルコ様式のモスクを観に来ていました。するとそこにアルタンがいたのです。彼は日本人女性と結婚し、都内に絨毯屋を開いていました。僕たちはハグして再会の喜びを分かち合いました。エンギンが2児の父親になったとも聞かされました。ほんのささやかな縁でも、つながっていたことがわかると、うれしいものですね。トルコの結婚式は、結ばれる二人だけでなく、招待客にも、縁を授けるものなのかもしれません。旅も同じく縁を作ってくれるもの。次の旅行では、みなさんにはどんな縁ができるのでしょうか? 縁は大切にしたいものですね。