ハレムの女性たちが暮らす部屋

イスタンブールのトプカプ宮殿・その3からの続きです。ハレムの入口には黒人宦官の守衛所があり、ハレムの警備に勤めていました。ハレム手前の部分は、こうした宦官たちの宿舎やモスクになっています。細長い中庭を抜けると、皇子たちの学問所やカリエたちの住居に出ます。「カリエ」とは皇帝に買われた女性たちの総称で、寵愛を受けるほどではない女性や、夫人たちの世話をする女性たちがこのエリアで暮らしていました。その先がスルタンの母后のエリアです。スルタンの母はハレムの最高権力者で、40の部屋を持っていました。

ハレム専用の中庭。女性たちは他の人の目に触れることなく、ここに出入りしていた ハレム専用の中庭。女性たちは他の人の目に触れることなく、ここに出入りしていた

スルタンの私室が続く

スルタンの母の浴室、スルタンの浴室に続き、アブドゥルハミド1世の寝室などを経て、宮殿で一番広い「皇帝の間」に出ます。この豪華な部屋では、親しい友を招いての宴が行われたりもしました。部屋にある鏡は、緊急避難用の隠し扉だったんですよ。続いて豪華なムラート3世の寝室に出ます。ここはハレム最古の建物で、16世紀の内装が残っています。暖炉の向かいにある泉は、部屋を冷やす目的のほか、密談の内容を聞かれないようにする消音効果もあったといいます。ほかにも見逃せない部屋としては、アフメット3世の「果実の間」と呼ばれる、エナメル塗装がすばらしい部屋があります。ここを抜けるとハレムも最後。ハレムの中庭を見下ろした後、第3庭園に進みましょう。

第3庭園にある「謁見の間」と「宝物庫」

「幸福の門」に続く第3庭園に入ると、庭園の視界を塞ぐように目の前にある建物が「謁見の間」です。ここはスルタンが外国大使などを謁見していた場所で、会見中は話の内容が聞こえないように、正面の泉から水を流していました。第3庭園を囲む建物の右奥は、ハレムと並ぶトプカプ宮殿のハイライト「宝物庫」です。ここは年中非常に混み合っているので、もし朝いちで入場したら、ここから見学するのもいいでしょう。昼前には、外へ長い列ができていることがあります。(その5につづく)