珍しいリキア王国の屋根型石棺も展示

イスタンブール考古学博物館・その1からの続きです。旧館1階の目玉の「アレクサンドロスの石棺」ですが、その周りにもいくつかの石棺がありますが、次に有名なのは同じくシドンの王室墓地で発掘された「嘆き悲しむ女たちの石棺」と呼ばれるもの。側面に18人の女性が彫られているのでわかるでしょう。ここから部屋の少し離れた場所に、三角屋根で縦長の石棺群があります。これは「リキアの石棺」です。リキアは紀元前6世紀から紀元前2世紀にかけて、アナトリア半島南部、現在のトルコのフェティエからアンタルヤにかけての海岸地方に栄えた小王国です。岩窟墓とこの石棺で知られていますが、この石棺の形は木造家屋を模したものといわれています。

ヒッポドロームにある「青銅のヘビのオベリスク」の頭部がここに ヒッポドロームにある「青銅のヘビのオベリスク」の頭部がここに

ギリシャ・ローマ時代の石像群や出土品

1階にはほかにも、ギリシャ・ローマ時代の石像群があります。古いものだと、アルカイック期のギリシャの立像、ギリシャの神々、アウグストゥスやマルクス・アウレリウスなど教科書などでおなじみのローマ皇帝の胸像の実物もここで見られます。発掘場所と時代はチェックしてください。たとえばこれからエフェスに行く方、ここにエフェスからの出土品もありますよ。発掘されて重要な品は遺跡にではなく、博物館の中で展示されているからです。

ベネチアが奪った“お宝”の一部も

2階は、宝飾品や青銅器、ガラス製品、貨幣などの小物の展示です。ここでぜひ見ておいて欲しいのは、ブルーモスク前のヒッポドロームにある「青銅のヘビのオベリスク」のヘビの頭部です。このオベリスク(柱)は、紀元前5世紀にペルシャに対する戦勝を記念して、ギリシャのデルフォイにあったものをコンスタンティノープルに移動したもの。その後、第4回十字軍によって町が略奪にあった時、3匹のヘビの頭部は持ち去られましたが、その一部がここに残っているのです。また、同じく第4回十字軍の占領の際、ベネチアによって持ち去られた「テトラルキア(ローマ帝国4分割)を示す皇帝像」の欠けた「足」の部分もこの博物館に収められています。(その3に続く)