イスタンブールのモスクといえば?

「イスタンブールはモスクの町」といえるほど、市内に多くのモスクがあります。トルコではモスクは「ジャーミィ」というのですが、とくに旧市街にはオスマン帝国時代に造られた、年代物のモスクがたくさんあり、そこら中が史跡だらけといえるでしょう。しかもそれらのモスクは、今も地元の人が参拝している、“生きた”礼拝所なのです。そうした有名なモスクの筆頭といえば、中心部にある「スルタンアフメット・ジャーミィ」、通称“ブルーモスク”と、皇帝スレイマン1世が造らせた「シュレイマニエ・ジャーミィ」でしょう。しかし今回はその有名な2つのモスクではなく、どちらかといえば訪れる人も少ない2つのモスクを紹介したいと思います。場所は地元の人も観光客も行き交う、旧市街側のエミノニュ埠頭やエジプシャンバザールがあるエリア。観光の途中で、気軽に寄ることができる場所です。

イスタンブール観光の穴場。エミノニュ埠頭近くのおすすめモスク2つを紹介 前編 イスタンブール観光の穴場。エミノニュ埠頭近くのおすすめモスク2つを紹介 前編

エジプシャンバザールの一画にある美しいモスク

個人的には「タイルの美しさではブルーモスク以上」と思っているのが、「リュステム・パシャ・ジャーミィ」で、これはぜひ見て欲しいモスクです。これはエジプシャンバザールの一画にある小さなモスクで、2カ所ある入口は本当に小さく、道幅が狭いバザールの雑踏の中を歩いていると、見落としてしまいそうなほど。この入口から階段を登った上にモスクがあるので、下を歩いていると気がつかないんですよね。だからいつ行っても「このあたりだったかな」と迷いながら行くのですが…。少し離れて開けた所に出ると、丘の上にそびえているシュレイマニエ・ジャーミィのすぐ下に見えるので、だいたいの位置の見当をつけてから向かうといいでしょう。

宮廷の大宰相が私財を投じて建てたモスク

モスクの名前となっているリュステム・パシャは、スレイマン大帝時代の大宰相で、スレイマンの皇女ミフリマと結婚したように、スレイマン大帝から強い信任を得ていた人物です。そのためこのモスクの建築には、オスマン時代最高の建築家であり、シュレイマニエ・ジャーミィを設計したミマール・スィナンが携わりました。建築はリュステム・パシャが亡くなった1561年から1563年にかけて。その時に一緒に造られた周りの商店の賃料は、現在もモスクの維持に役立てられているそうです。(後編につづく)