外ナルテクスにあるイエス・キリストの物語

「イスタンブールのカーリエ博物館」その2からの続きです。手前の外ナルテクス部分にあるモザイク画は、私たちにおなじみのイエス・キリストの物語です。ヘロデ王による「幼児虐殺」、ワインを増やした「カナの奇跡」や病人を治す姿などですね。物語が部分部分しかないので、当初はもしかしたら、もっとモザイク画があったのかもしれません。また、内ナルテクスとはモザイク画のタッチが違うので、作者も異なるのかもしれません。この外ナルテクス部分の角の部分には売店があり、このコーラ修道院のパンフレットが売っています。各モザイク画の説明が知りたい人は、ここで手に入れておくといいでしょう。

行かないと後悔! キリスト教モザイクがすばらしいイスタンブールのカーリエ博物館 その3 行かないと後悔! キリスト教モザイクがすばらしいイスタンブールのカーリエ博物館 その3

必見の「最後の審判」のフレスコ画

この外側の一番奥には、礼拝堂であるパレクレシオンがあります。ここには、ビザンツ時代のフレスコ画としてはイスタンブールで最もすばらしいものがあります。絵のモチーフは「最後の審判」にまつわるもの。聖書によると、最後の審判の日にイエスは人類すべてを墓から呼び出して復活させ、天国行きか地獄行きかをジャッジします。この後陣のドーム天井部分にある「アナスタシス(復活)」のフレスコ画では、棺から両手でアダムとイヴを引っ張りだすイエスが描かれています。ただ、そのイエスは、カソリック教会で見る優男の青年とは異なり、男らしく力強いイメージなのです。両脇にはヨハネなどの預言者たちが、足元には手かせ足かせを付けられたサタンの姿が見えます。

その他の必見のフレスコ画

礼拝堂の手前の壁にも、多くのフレスコ画が描かれています。「ディーシス」と呼ばれる請願図は、ビザンツの聖画ではよく見る形式で、ここでは天上にいるイエスと両脇にマリアとヨハネ、その周囲に多くの聖人が描かれています。また、天国の門に鍵を差し込んで開けようとしている聖ペトロと、それに続く選ばれた民たちの絵も印象的です。門には「ケルビム」という智天使がいて、番をしています。また、「最後の審判」以外の絵では、「天使と相撲を取るヤコブ」、「聖櫃を運ぶ司祭たち」などの絵もあります。メインの聖堂内にはほとんど絵がありません。こちらはモスク時代に取り払われてしまったのでしょうか。ということで、見学のメインは内外のナルテクスと礼拝堂部分となりますが、これらのモザイク画やフレスコ画はいつまでも見ていたくなるほど、すばらしいものです。

周りは、くつろげるカフェもある静かな住宅街

このカーリエ博物館の周辺は、古い木造の民家が残っている雰囲気のいい一画。プチホテルや土産物屋、カフェもあります。博物館前のオープンテラスのカフェは、喧噪を逃れてくつろぐにはなかなかいいところですよ。この博物館は水曜休館ですので、ご注意下さい。入館料金は15トルコリラ(約750円)です。それでは、イスタンブールに行ったら、この博物館を見逃さないでくださいね。