ローマ時代の円柱の残骸が歩道に残る

「イスタンブールに残る、無料で見られるローマ時代の史跡」前編からの続きです。先のチェンベリタシュ駅から西へ向かい、グランドバザールを過ぎたラーレリ駅近くの歩道には、ローマ時代の石柱が無造作に置かれています。壊れて短くなって再利用できなくなって捨てられたものでしょうか。さまざまなデザインの石柱がありますが、中には「地下宮殿」を支えていた「涙の柱」と同じ模様のものもあります。千年以上のものがこうしてさりげなくあるのも、イスタンブールの魅力ですね。

無料で見られる、イスタンブール旧市街に残るローマ時代の史跡へ行ってみよう! 後編 無料で見られる、イスタンブール旧市街に残るローマ時代の史跡へ行ってみよう! 後編

イスタンブール最大のローマ水道橋

この「ラーレリ」駅から北へ1キロほど、新市街へと続く大通りに架かっているのが「ウァレンスの水道橋」です。ローマ人は帝国各地に大きな水道橋を数多く作りましたが、これもそのうちのひとつ。4世紀のウァレンス帝の時代に造られたのでその名が付いています。かつては1キロの長さがありましたが、現在は両端が壊れて800メートルほど。この水道橋を通った水が、皇帝の宮殿に運ばれていました。1500年以上前に建てられた橋が崩壊せず、今も車が頻繁に走る大通りの上に残っているのは驚きです。

帝都を守った「テオドシウスの城壁」

首都コンスタンティノープルを守るために造られた城壁ですが、その一部が今も残っています。現在見られるのは、キリスト教を国教化したしたことでも知られるテオドシウス帝が、413年に造ったもの。彼の死後、ローマは東西に分裂し、以降、ローマ帝国は統一されることはありませんでした。彼はコンスタンティヌス帝が造った城壁を拡張し、市街と郊外を分ける堅固な城壁を造りました。アラブ人によるイスラム軍がこの城壁まで迫ったことがありますが、破ることはできなかったといいます。ビザンツ(東ローマ)帝国滅亡の1453年、この城壁を舞台にビザンツ軍とオスマン軍との最期の戦闘が行われましたが、最初にオスマン軍が突破したのがロマヌス門と呼ばれた「トプカプ」のあたりです。

今も残る城壁を見学しよう

トプカプは現在ミニバスターミナルとなっており、トラムでも行けます。城壁も修復されてきれいに残っているので、外側から見てみるのもいいでしょう。近くにはコンスタンティノープル陥落をテーマにした「1453パノラマ博物館」もあります(こちらは有料)。場所は「トプカプ宮殿」とはまったく別なのでご注意下さい。また、ここから城壁沿いに2キロほど金角湾の方に行った「エディルネカプ」周辺も城壁がきれいに修復され、一部は中に入れるところもあります。近くのカーリエ博物館を見学する際にでも、寄ってみてはいかがですか?

発見がある、イスタンブールの街歩き

ここで紹介したものは有名なものですが、歴史ある都市なので、探せばほかにも無料で見られる小さなローマ時代ゆかりの遺構や遺跡が残っているかもしれません。また、今ではモスクとして使われているため、ビザンツ帝国時代の教会が観光客に気づかれずに、ひっそりと残っている場所もあります。観光地ではありませんが、街歩きの途中でそんな古いものを発見する。そんな喜びがあるのもイスタンブールなのです。