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海外現地発ガイド通信

世界で初めて造られたオリーブオイル製造所、クラゾメナイの遺跡


掲載日:2019/02/08 テーマ:遺跡 行き先: トルコ / イズミール

タグ: 史跡 珍しい 歴史


今から2500年以上も前にオリーブオイルを造っていた遺構

発掘現場に,当時と同じように再現されたオリーブオイル製造所 発掘現場に,当時と同じように再現されたオリーブオイル製造所

トルコはスペイン、イタリア、ギリシャに次いで世界で4番目のオリーブ生産国。オリーブの木は乾燥した大地に強いので、トルコ内陸部でもよく見かける。トルコではオリーブをよく食べるが、特に朝食にはオリーブが欠かせない。トルコ人はみんな、オリーブが大好きだ。そんなトルコに、世界初のオリーブオイル製造所跡があるという。オリーブオイルはギリシャのクレタ島で最初に造られた、との説もあるが、かなりの量を造っていた製造所の中で最も古いのが紀元前6世紀の都市クラゾメナイKlazamenaiだ。クラゾメナイは、イオニア式列柱でお馴染みの古代ギリシャのイオニア地方のひとつの都市で、現在はトルコ西部イズミル県の、エーゲ海に面したウルラUrlaにある。

オリーブオイルと交換して野菜や穀物を入手していた

4人がかりで回していたという、再現された当時の石臼 4人がかりで回していたという、再現された当時の石臼

この遺構は1980年代に発掘されたもので、その後イズミルの考古学研究機関やトルコのオリーブオイル業者などが一団となって研究を行い、ドイツの協力を得て2005年に古代の製造所が復元された。オリジナルの部分も残されていたので、それらを使っての忠実な復元である。行ってみると敷地内はまだ発掘作業が続けられているので、復元された製造所と貯蔵庫、井戸などだけが公開されている。随分こぢんまりしていると感じるが、2500年以上も前のことなのでこんなだったのだろう。紀元前4世紀頃からクラゾメナイでは町全体でオリーブオイルが造られていた。小麦や野菜が不足しがちだったクラゾメナイでは、オリーブオイルは他の国の穀物などと交換する貴重な輸出品だったのだ。

小さな建物いっぱいに再現された製造機械に圧倒される

「オリーブのペーストを麻袋に詰めてからプレス機にかけます」、と説明してくれる案内人 「オリーブのペーストを麻袋に詰めてからプレス機にかけます」、と説明してくれる案内人

こぢんまりとした製造所の中に入ると、まず大きな石臼が現れる。オリーブの実を磨り潰すのに使われており、このやり方は高品質のオイルを造るのに適しているので、今も石臼を用いるオリーブ製油所があるという。当時は4人でこの石臼を回していた。30分で約200kgものオリーブがペースト状になった。このペーストを麻袋の中に詰める。古代では山羊の毛で編んだ袋が使われていたそうだ。オリーブの袋はプレス機にかけられる。太い丸太を繋ぎ合わせた長い棒の先には1700kgの石の錘(おもり)が吊り下げられ、丸太の800kgと合わせて2500kgの圧力でペーストを圧搾していく。オリーブに含まれていた油と水分は木製の樋を伝って向かい側の穴へと流れていく。

古代の知恵と技術がいっぱい詰まったこの空間

がっしりした丸太は800kg、そこに1700kgの石を吊り下げてオリーブのペーストを圧搾する がっしりした丸太は800kg、そこに1700kgの石を吊り下げてオリーブのペーストを圧搾する

大掛かりなプレス機の向かい側には3つの穴があり、そのうちの2つは底の方で繋がっている。この穴は発掘途中で見つかったオリジナルとのこと。その2つには予め三分の一ほど水が入っており、1番目の穴に流れ込んだオリーブの液体は水と混ざって2番目の穴に移動し、最終的に油分だけが2番目の穴の上の方に浮いてくる。それを汲み上げて3番目の穴に移す、というわけ。極めて原始的とはいえ、遠心分離法よりも風味があり栄養価も高いので現在も圧縮法を取り入れている工房もあるほどだ。隣の貯蔵庫は地下部分がオリジナルで、その上に建物と出来上がったオイルを蓄えておく壺が再現されている。見学できるのはこれだけだが、紀元前6世紀にこんな技術があったのか、と人間の創造力に感動したオリーブオイル製造所である。

データ

復元された貯蔵庫には、当時の様子を再現してオリーブオイル貯蔵壺が並べられている 復元された貯蔵庫には、当時の様子を再現してオリーブオイル貯蔵壺が並べられている

クラゾメナイ・アルカイック・ドネミ・ゼイティンヤー・イシリィ
Klazomenai Arkaik Donem Zeytinyagi Isligi
(クラゾメナイ・アルカイック時代のオリーブオイル製造所)。

住所:Iskele Mahallesi, 2121. Sk. No:17, 35430 Urla/Izmir
開館時間:毎日 8:00〜17:00
入館料:無料
アクセス:イズミルからウルラ行のバスに乗る。
     イズミルのF.ALTAY バスステーションからESHOTバス。
     725番は朝6時から夜23時まで1時間に2本ほど往復あり。
     あるいはアラチャトからタクシーで30分ほど。

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2019/02/08)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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