「イギリスにうまいものなし」は本当?

「イギリスにうまいものなし」とはよく言われることですよね。また、サマセット・モームは「イギリスでおいしい食事をしようと思うなら、朝食を3回食べよ」と言ったそうです。この夏までイギリスに行ったことがなかった私は、「イギリスにはそんなにおいしいものがないの? その中で、朝食ってそんなにおいしいのだろうか」と好奇心を持ちました。

スコティッシュ・フル・ブレックファストは、朝食というよりお酒が飲みたくなる?! スコティッシュ・フル・ブレックファストは、朝食というよりお酒が飲みたくなる?!

「フル・ブレックファスト」とは

私はロンドンを完全に素通りして、スコットランドに直行していました。ホテルの朝食で、いよいよ「フル・ブレックファスト」を体験します。フル・ブレックファストとはイギリスの伝統的な朝食の総称であり、地域によって「イングリッシュ・フル・ブレックファスト」とか「スコティッシュ・フル・ブレックファスト」などと呼び分けられています。メニューの内容も地域ごとに少しずつ異なりますが、メインとなるおかずは共通しています。

お皿いっぱいの料理に胃袋も仰天

私の泊まったホテルの「スコティッシュ・フル・ブレックファスト」は、以下のような内容でした。コーヒーまたは紅茶、各種のジュース、トーストやペストリーなどのパン、フレッシュフルーツとシリアルとヨーグルトは取り放題。そして大きなお皿いっぱいに載ってきたホットミールには、やはり圧倒されました。ベーコン、ソーセージ、ポテトケーキ、グリルドトマト、卵料理(スクランブルや目玉焼きなど好みで)、ハギス、ブラックプディング、グリルドマッシュルームでした。このホテルではこれだけでしたが、さらに豪華になると、これにキッパー(ニシンなどの燻製)、ハッシュブラウン、ベイクドビーンズなどなどが付くようです。

おいしいけれど、朝食より夜に……

味は……おいしいです。「イギリスにうまいものなし」なんてことはありません。しかし、一つ一つはかなりおいしいのですが、いかんせん多すぎます。油を使った料理ばかりだし、ソーセージにしろなんにしろ、とにかく大きいのです。私は、朝はサラダなどのさわやかなものが欲しいタイプなので、こういう「油と塩気」で食欲を満たす朝食は、なじめませんでした。それより、この一品ずつはそれぞれ格好のお酒のお供になるなあ……と思ってしまいました。とくにハギス(羊の臓物の詰め物)やブラックプディング(血のソーセージ)は、さわやかとはほど遠いものの、おつまみには最高に思えたのです。

歴史や地域性をふりかえるとおもしろい!

帰ってから調べてみると、イギリスでは産業革命時期から、朝食にカロリーをどっさり摂って肉体労働に備えるようになったとか。そして彼らの多くは朝からビールで食事を流し込んでいたのですね。なるほど、やはりこの油と塩気が私のような酒飲みを惹き付けるのも当たり前なのでした。スコットランドは、イギリスの中でも大食、そして美食の地方として有名です。毎朝では胃が疲れそうですが、スコットランドでは一度はボリュームたっぷりの朝食にトライしてみてください。お酒のお供にしたい方は、パブに行けば一日中フル・ブレックファストが食べられますよ!