スコットランド料理の代表とは?

初めてスコットランドへ行く前、私は「きっとおいしいものなんて何にもないんだろうな」という先入観を持っていました。私の初めてのイギリス旅行は、ロンドンを素通りしていきなりスコットランドへ直行でした。つまり私にとっての初イギリス料理は、スコットランド料理ということに。そして、スコットランド料理は、なにを食べても意外なほどおいしかったのです。やがて滞在が長くなるにつれ、「『これぞスコットランドを代表する料理』とは?」と聞かれたら…、それはもしかしたら、スープかもしれないな、と考えるようになりました。

スコットランドの名物料理は、ずばり「スープ」ですよ! スコットランドの名物料理は、ずばり「スープ」ですよ!

スープの発展は、この寒い土地ならでは

スープ(汁物)は、世界各国にある料理ですが、“バリエーションの豊富さ”と“外れのなさ”では、やはりスコットランドの名物といえると思います。手軽なカフェでも高級なレストランでも、スープが何種類も用意されています。寒い季節が長い、というか一年中ずっと寒いといってもいいスコットランドでは、古くから心身ともに温まるスープは家庭料理の定番でした。スコットランドのスープは具沢山なものが多く、飲むというより食べるという感覚のため、ウイスキーとの相性も抜群なのです。寒風吹きすさぶ中で働いてきた労働者が、仕事のあとにパブや家庭でスープとウイスキーで温まる…。この土地に根付いた伝統があるのですね。

スコットランド名物は、日本では無名のスープですが……

スコットランド特有の定番スープは「スコッチブロス」「カレンスキンク」「コッカリーキ」などです。「スコッチブロス」に入るのは大麦と野菜と羊肉、「カレンスキンク」にはタラとじゃがいも、「コッカリーキ」には鶏肉とリーキ(ポロねぎ)とプルーンが入ります。玉ねぎやベーコン、米その他の具材も適宜入れます。中でも、大麦はいろいろなスープに味の奥行きを出す大事な素材です。スープ以外にも、「ハギス」や「ポリッジ」などの有名なスコットランド料理には大麦がよく用いられていますよ。

スープは心のふるさと

私もスコットランド旅行中にたくさんのスープをいただきました。具がどっさり入った“食べるスープ”もあれば、完璧に裏ごしされて滑らかな口当たりの高級スープもあり、どれも甲乙つけがたい味わいでした。典型的日本人の私は、自分の好きな味噌で自分で作ったお味噌汁は世界で一番好きな“スープ”です。スコットランドの人々にとっても、きっと「このパブのスープが一番!」「いやいや、お袋の作ったスープが最高!」なんていう“心のふるさと”的なスープがあるんだろうな、と想像しました。滋味あふれる大地の味を感じに、行ってみてください。