型破りな演劇の祭典へどうぞ!

にぎやかな街が大好きなあなた、8月のエディンバラへ行ってみましょう! スコットランドの首都エディンバラでは、毎年8月に世界最大の芸術祭「フリンジ」が開催されるのです。このお祭は、なにもかもが型破り。まず、通常の芸術祭とちがって、出場審査がいっさいありません。規定の登録料と参加費を納めて、公演を行える場所を確保しさえすれば、アマチュアもプロも問わないのです。さらにジャンルもなんでもOK。演劇やダンスはもちろん、コメディー、クラシック音楽演奏、大道芸も。たとえば日本から尺八の独演や和太鼓の団体演奏で参加したっていいのです。

街じゅうがすごい人出に! 世界最大の演劇フェスティバル、エディンバラの「フリンジ」 街じゅうがすごい人出に! 世界最大の演劇フェスティバル、エディンバラの「フリンジ」

「フリンジ」ってどういう意味?

そもそもこのフェスティバルを知らない人が「フリンジ」という言葉を聞いてまず連想するのは、服やマフラーなどの端っこについているヒラヒラの部分ではありませんか?フリンジとは“周辺にあるもの”という意味ですから、劇場でふつうに催される演劇フェスティバルの外側(fringe)に位置する、自由で実験的なパフォーマンスを意味するというわけです。この呼称は、1948年の第2回エディンバラ国際フェスティバル中に名付けられたといわれています。歴史ある名前なんですね。

気温が低いが熱気はすごい、エディンバラの8月!

私もちょうどフリンジ開催中のエディンバラを散策してみました。いえ、散策などという悠長な言葉は、フリンジ期間中のこの街には似合いません。ハイ・ストリートのフリンジ事務局あたりでは、前に進むのがやっとというくらいの時間帯もあるほど。大混雑の理由は、スコットランドが1年中で一番いいシーズンである8月に観光客が集中することはもちろん、チラシを渡して今夜の舞台に誘ったり、路上で演奏やパントマイムなどのパフォーマンスを行う参加者たちであふれかえっているからなのです。そのパフォーマンスのすばらしいこと! エイリアンの着ぐるみで観光客の頭をかじったり、豚のお面をすっぽり被ってひたすらギターをかき鳴らしたり、酒瓶を手に泥酔し寝込んでいる演技をずっと続けていたり、突然外科手術のようなパフォーマンスが始まったり……。そんな奇抜な衣装とメイクの彼らにグッと迫られて「今夜、シアターに見に来て!」とチラシを差し出されたら、誰でも思わず受け取ってしまいますよ。

未来のスターを間近に見ることができるチャンスかも?

フリンジから有名になった俳優もたくさんいます。『Mr.ビーン』ことローワン・アトキンソンや、名女優エマ・トンプソンもかつてフリンジに出演していました。さて、参加には“なんでもあり”のフリンジですから、プログラムは膨大。しかも優劣を審査する賞などもないため、玉石混淆なのが実情です。チラシやポスターなどを見て自分の勘を信じ、フラッと立ち寄ってみるのもいいでしょう。ありきたりの観光では得られない体験が待っていますよ!